【寄付先探しのヒント】桜並木を未来につなぐプロジェクト3選
2022-01-18 08:00:00
古来から多くの日本人は、桜という木に特別の想いを抱いてきました。人々の想いは文化を生み、地域に賑わいをもたらし、まちの矜持ともなってきました。山や森、川や海に対しても同じように想い、敬いや畏れを抱いてきました。桜を、自然を守るプロジェクトを通じて、過去から現在へと引き継がれてきた人々の想いや文化を、未来へとつないでいく試みを始めた3つの自治体を紹介します。
【愛知県・岩倉市】次世代へ引き継ぐ桜のバトン【愛知県岩倉市】
名古屋市中心部からアクセス良好な距離にある愛知県岩倉市を縦断して流れる五条川は、桜の名所として名高く、両岸を彩る桜並木は、市のシンボルになっています。企業版ふるさと納税を活用する岩倉市のプロジェクトは、この桜並木に関する計画です。
昭和24年(1949)に植樹された300の苗木から始まった五条川沿いの桜並木は現在では約1400本となり、市の北側にある江南市・大口町を流れる五条川沿いの桜とともに「さくら名所100選」に選ばれました。並木の下を流れる川でこいのぼりの糊を落とす「のんぼり洗い」も風物詩になるなど、市には“桜の文化”が生きています。
ですが、自慢の桜もすでに樹齢60年以上の木が増え、市民ボランティア団体と協力して保全活動に努めているものの、樹勢が衰退した木や台風による倒木も見られるようになり、樹木医から間引きや剪定の必要を指摘されています。
そこで市は、地域の誇りである桜を未来につなげる抜本的な保全を始めました。樹木医や市民ボランティア団体と協力して枯木の間引き伐採や剪定、後継木の育成や植え替えを推進しています。また、企業や大学、障害福祉サービス事業所などと連携して、伐採などで出る廃材を利用した商品開発も計画しています。
【愛知県・岩倉市】次世代へ引き継ぐ桜のバトン【愛知県岩倉市】
昭和24年(1949)に植樹された300の苗木から始まった五条川沿いの桜並木は現在では約1400本となり、市の北側にある江南市・大口町を流れる五条川沿いの桜とともに「さくら名所100選」に選ばれました。並木の下を流れる川でこいのぼりの糊を落とす「のんぼり洗い」も風物詩になるなど、市には“桜の文化”が生きています。
ですが、自慢の桜もすでに樹齢60年以上の木が増え、市民ボランティア団体と協力して保全活動に努めているものの、樹勢が衰退した木や台風による倒木も見られるようになり、樹木医から間引きや剪定の必要を指摘されています。
そこで市は、地域の誇りである桜を未来につなげる抜本的な保全を始めました。樹木医や市民ボランティア団体と協力して枯木の間引き伐採や剪定、後継木の育成や植え替えを推進しています。また、企業や大学、障害福祉サービス事業所などと連携して、伐採などで出る廃材を利用した商品開発も計画しています。
【愛知県・岩倉市】次世代へ引き継ぐ桜のバトン【愛知県岩倉市】
【岩手県・北上市】展勝地桜並木長寿命化対策事業
岩手県北上市では、「北上展勝地」の桜を後世に残す事業に取り組んでいます。
北上展勝地は、北上川沿いに続く約2kmの桜並木が、秋田県の角館、青森県の弘前公園と並んで「みちのく三大桜名所」に数えられる景勝地。「さくら名所100選」にも選ばれ、2021年には開園100周年を迎えました。
この名所の桜が窮地に立っています。樹木の老齢化に手入れ不足も重なり、樹勢が衰退しています。調査により、不良木が増えていることも判明しました。
市は、従来の維持管理に加え、土の入れ替えや肥料による土壌改良、枯損木の処理、不定根誘導といった延命化対策を進める方針を決定。さらに、桜の維持管理を行いながら成長を見守る「桜守」の育成に取り組んでおり、市民に桜を守り育てる意識を共有してもらうために講習会を催すなど、多角的な取り組みを進めています。小中学生向けには、桜守の活動を紹介する講習会も開きました。
今、480本の桜が処置を必要としています。しかし、12~3月の積雪シーズンには措置を施せないという地域的な問題があります。そこで年間80本ずつを目安に措置を施し、6年ほどかけて、処置を完了する長期プロジェクトを検討しています。これらの計画のために、市は寄付を必要としています。
【岩手県・北上市】展勝地桜並木長寿命化対策事業
北上展勝地は、北上川沿いに続く約2kmの桜並木が、秋田県の角館、青森県の弘前公園と並んで「みちのく三大桜名所」に数えられる景勝地。「さくら名所100選」にも選ばれ、2021年には開園100周年を迎えました。
この名所の桜が窮地に立っています。樹木の老齢化に手入れ不足も重なり、樹勢が衰退しています。調査により、不良木が増えていることも判明しました。
市は、従来の維持管理に加え、土の入れ替えや肥料による土壌改良、枯損木の処理、不定根誘導といった延命化対策を進める方針を決定。さらに、桜の維持管理を行いながら成長を見守る「桜守」の育成に取り組んでおり、市民に桜を守り育てる意識を共有してもらうために講習会を催すなど、多角的な取り組みを進めています。小中学生向けには、桜守の活動を紹介する講習会も開きました。
今、480本の桜が処置を必要としています。しかし、12~3月の積雪シーズンには措置を施せないという地域的な問題があります。そこで年間80本ずつを目安に措置を施し、6年ほどかけて、処置を完了する長期プロジェクトを検討しています。これらの計画のために、市は寄付を必要としています。
【岩手県・北上市】展勝地桜並木長寿命化対策事業
【沖縄県・本部町】「美ら海・美ら山」保全プロジェクト
沖縄県本部町は、サンゴが棲息する美しい東シナ海に臨み、国内唯一の円錐カルスト地形を有するなど、多様な自然が残されている町です。「沖縄美ら海水族館」のある町としても知られています。
町が誇る景観のひとつが八重岳です。沖縄島で2番目に高い山の頂に至る約4㎞の道は、年が明けると寒緋桜の花が開きはじめ、満開時には、約7000本の寒緋桜が山道をトンネルのように囲む、沖縄を代表する桜の名所です。
この7000本の桜は、先人たちが守ってくれた宝物として、未来につなげていかなければならないものですが、その管理保全は、作業範囲が広いこともあり多額の費用が必要な反面、人員は限られています。老木化も深刻です。
美しい海もまた然り。海洋ゴミの回収、サンゴや海洋生物の保護は急務ですが、それらすべてを町の予算とボランティアの手で行うのは厳しいのです。
そこで本部町は、企業版ふるさと納税を活用して、寒緋桜の保全・補植作業や、マイクロプラスチックに代表される海洋ゴミの回収、サンゴ礁や海洋生物の生態系保護に取り組む方針です。
【沖縄県・本部町】「美ら海・美ら山」保全プロジェクト
桜や森、川、海などを保全し後世に残す取り組みは、自然を守るだけではなく、私たちの誇りや文化を守り継承する、大切な取り組みでもあるはずです。
町が誇る景観のひとつが八重岳です。沖縄島で2番目に高い山の頂に至る約4㎞の道は、年が明けると寒緋桜の花が開きはじめ、満開時には、約7000本の寒緋桜が山道をトンネルのように囲む、沖縄を代表する桜の名所です。
この7000本の桜は、先人たちが守ってくれた宝物として、未来につなげていかなければならないものですが、その管理保全は、作業範囲が広いこともあり多額の費用が必要な反面、人員は限られています。老木化も深刻です。
美しい海もまた然り。海洋ゴミの回収、サンゴや海洋生物の保護は急務ですが、それらすべてを町の予算とボランティアの手で行うのは厳しいのです。
そこで本部町は、企業版ふるさと納税を活用して、寒緋桜の保全・補植作業や、マイクロプラスチックに代表される海洋ゴミの回収、サンゴ礁や海洋生物の生態系保護に取り組む方針です。
【沖縄県・本部町】「美ら海・美ら山」保全プロジェクト
桜や森、川、海などを保全し後世に残す取り組みは、自然を守るだけではなく、私たちの誇りや文化を守り継承する、大切な取り組みでもあるはずです。