【寄付先探しのヒント】特産品づくりに取り組むプロジェクト3選
2021-12-10 08:00:00
特産品イメージ

優れた特産品は、地域の魅力を広く、わかりやすく伝えてくれます。観光客を呼び、雇用を増やし、まちに活気をもたらします。
知多半島のまちは漁師のおかみさんたちの努力で、南国のリゾート地は中学生の斬新な発想で、関西国際空港の玄関口にあるまちは企業の英知で…。それぞれが、地元の人々の柔軟なアイデアを駆使して、特産品づくりに挑んでいます。

【愛知県・美浜町】地域資源を活用した観光振興の実施

みはまのおと
知多半島の南部に位置する愛知県美浜町には、豊富な海産物が揚がります。町ではこの海産物やフルーツなどの特産品を使い、新商品を開発し、観光客の誘致策のひとつとして販売しています。

たとえば、ツメタ貝(地元ではうんねとよぶ)という、アサリの天敵の巻き貝を旨煮にした「海音(うんね)貝の惣菜」は、味の良さで評判も上々。下処理に手間がかかることもあり流通しなかった貝を、“漁師のおかみさん”たちが試行錯誤を繰り返して商品化したものだといいます。ほかにも、日本福祉大学の学生と協同でつくった海塩を販売、現在も半田商業高校の生徒と連携した商品を開発中です。

特産物を活かした商品づくりを通じ、観光客の増加はもとより、雇用先の確保や労働人口の増加も狙った、町の施策が続いています。

【愛知県・美浜町】地域資源を活用した観光振興の実施

【沖縄県・恩納村】中学生が主役!沖縄のサンゴの海を守りたい

中学生の取り組み
国内有数のリゾート地として知られる沖縄県恩納村は、「サンゴの村」を宣言し環境保全に全力で取り組んでいます。貴重で豊かな自然を守る方針の村が、活性化を目指して進めている取り組みが、地元らしさにあふれた魅力ある商品をつくること。アテモヤやパッションフルーツといった、地域性豊かな特産物を使い、新しい名産品をつくろうとしています。

この名産品づくりには、とても興味深い点があります。商品開発を、村唯一の中学校の生徒たちが担当するところです。生徒たちはホテル事業者などから助言や支援を受けながら、健闘しています。村では、子どもたちに名産品づくりを通して、成功体験や社会とのつながりを感じてもらうと同時に、地元の魅力にも目を向けてもらい、地域の活性化を担う人材育成につなげる方針です。

【沖縄県・恩納村】中学生が主役!沖縄のサンゴの海を守りたい

【大阪府・泉佐野市】#ふるさと納税3.0(ふるさと納税×CF)地場産品創出支援事業・中小企業者支援事業

泉佐野市の事業展開
大阪府の南西部に位置し、関西国際空港の玄関都市でもある泉佐野市は、個人版ふるさと納税を活用し、調達した資金で地場産品を創出する取り組みを展開しています。さらに、企業版ふるさと納税も利用し、地方の活性化事業に共鳴する企業からの資金を募っています。

具体的には、企業や個人事業主から新たなまちの地場産品となる提案を広く募集し、設定した目標額に達した提案については、事業を展開し、新しい地場産品が生まれるという取り組みです。事業者にとっては個人版ふるさと納税の返礼品として一定の売り上げが担保されることに加え、テストマーケティングも行えます。個人の寄付者にとっては魅力ある返礼品が手に入り、市は新しい地場産品が生まれるうえ、より多くの寄付金も期待できるという仕組みで、地方創生の成功事例を目指します。

【大阪府・泉佐野市】#ふるさと納税3.0(ふるさと納税×CF)地場産品創出支援事業・中小企業者支援事業


地域色豊かな特産品を持つことは、観光や飲食をはじめとする地元経済の活性化と雇用確保に繋がる、多くの自治体が関心を持つ事業です。彼らが必要とする資金とノウハウを企業の力で補うことが、いま求められています。