【寄付先探しのヒント】偉人ゆかりの地を整備するプロジェクト3選
2022-01-06 08:00:00
日本をつくり、地域を繁栄させた偉人たちは、地元の誇りであり自慢したくなる宝でもあります。そんな“凄い人々”にまつわる施設やエリアを企業版ふるさと納税を利用して整備し、それを資源としてまちを活性化し、交流人口の増加につなげようとする取り組みが、各地で行われています。そのなかから、蘭方医・伊東玄朴(げんぼく)の神埼市、焼津水産翁・服部安次郎の焼津市、大実業家・大倉喜八郎の新発田市の取り組みを紹介します。
【佐賀県・神埼市】幕末の蘭方医「伊東玄朴記念館」整備プロジェクト
佐賀県神埼市では、この地に生まれた蘭方医にして蘭学者の、伊東玄朴の功績や史料を紹介・展示する「伊東玄朴記念館」を、整備する計画を進めています。
玄朴は、長崎にあった私塾兼診療所「鳴滝塾」でシーボルトに師事し、その後、佐賀藩主・鍋島直正の侍医を務めました。このころ猛威を振るった天然痘の予防接種・種痘の普及にも尽力。さらに西洋医学の医師としては初めて将軍家定の侍医に就くなど、当時の西洋医学界の頂点を極めたといえる人物です。
偉人とよぶにふさわしい玄朴も、全国的に見れば高名な存在ではありません。そこで市は知名度を高め、功績を正しく伝える施設が必要と考えたのです。
記念館の完成後は、修学旅行生をはじめ多くの来館者を迎え、玄朴の知名度アップとともに、神埼市の認知度も高めることが目標です。加えて、年間80万人が訪れる吉野ヶ里遺跡や、新緑と紅葉の時季に12日間だけ公開される、庭園の美しい九年庵といった名所と組み合わせ、交流人口の増加につながる観光プランの提案も行う考えです。
【佐賀県・神埼市】幕末の蘭方医「伊東玄朴記念館」整備プロジェクト
玄朴は、長崎にあった私塾兼診療所「鳴滝塾」でシーボルトに師事し、その後、佐賀藩主・鍋島直正の侍医を務めました。このころ猛威を振るった天然痘の予防接種・種痘の普及にも尽力。さらに西洋医学の医師としては初めて将軍家定の侍医に就くなど、当時の西洋医学界の頂点を極めたといえる人物です。
偉人とよぶにふさわしい玄朴も、全国的に見れば高名な存在ではありません。そこで市は知名度を高め、功績を正しく伝える施設が必要と考えたのです。
記念館の完成後は、修学旅行生をはじめ多くの来館者を迎え、玄朴の知名度アップとともに、神埼市の認知度も高めることが目標です。加えて、年間80万人が訪れる吉野ヶ里遺跡や、新緑と紅葉の時季に12日間だけ公開される、庭園の美しい九年庵といった名所と組み合わせ、交流人口の増加につながる観光プランの提案も行う考えです。
【佐賀県・神埼市】幕末の蘭方医「伊東玄朴記念館」整備プロジェクト
【静岡県・焼津市】水産業発展に寄与した「服部家」を、まちの賑わい交流拠点に!
江戸時代から漁業によって繁栄してきた静岡県焼津市では、水産業発展の立役者であり「焼津水産翁」の一人、服部安次郎の生家・服部家を寄付によって整備し、新たな交流拠点にすることで、交流人口の増加につなげようとしています。
服部家のある浜通りは、趣ある建物が続くまち並みに運河が流れる、往時の繁栄を伝える魅力的な地域です。しかし周辺には観光の拠点となる施設がなく、絶景で知られる焼津温泉(やいづ黒潮温泉)の宿泊客も呼び込めない状況でした。
そこで市が始めたのが、服部家を改修し、浜通りの交流人口を増やす取り組みです。服部家は、寺社建築に見られる伝統構法でつくられた歴史的価値の高い建物。一部は明治期に建てられたとされる母屋部分は、2020年度に改修工事を完了。2021年からは体験型ゲストハウスとして民間によって運営中です。
ただ、コロナ禍により利用は進んでいないのが現状で、今後はコワーキングスペースとしての活用やヨガ教室、料理教室など、宿泊に限定せず、様々な目的の活用を促すことにしています。さらに、焼津らしい魚介類の提供や、リラクゼーションプログラムの開発にも、企業の力を借りて取り組む方針です。
【静岡県・焼津市】水産業発展に寄与した「服部家」を、まちの賑わい交流拠点に!
服部家のある浜通りは、趣ある建物が続くまち並みに運河が流れる、往時の繁栄を伝える魅力的な地域です。しかし周辺には観光の拠点となる施設がなく、絶景で知られる焼津温泉(やいづ黒潮温泉)の宿泊客も呼び込めない状況でした。
そこで市が始めたのが、服部家を改修し、浜通りの交流人口を増やす取り組みです。服部家は、寺社建築に見られる伝統構法でつくられた歴史的価値の高い建物。一部は明治期に建てられたとされる母屋部分は、2020年度に改修工事を完了。2021年からは体験型ゲストハウスとして民間によって運営中です。
ただ、コロナ禍により利用は進んでいないのが現状で、今後はコワーキングスペースとしての活用やヨガ教室、料理教室など、宿泊に限定せず、様々な目的の活用を促すことにしています。さらに、焼津らしい魚介類の提供や、リラクゼーションプログラムの開発にも、企業の力を借りて取り組む方針です。
【静岡県・焼津市】水産業発展に寄与した「服部家」を、まちの賑わい交流拠点に!
【新潟県・新発田市】新発田市出身の実業家、大倉喜八郎の別邸を移築し駅前を活性化
新潟県新発田市は、人口減少とそれに伴う賑わい喪失の対策として、地元出身の大倉喜八郎の別邸が寄贈されたことを機に、それを中核にしたまちの活性化への取り組みを始めています。
近代日本の礎を築いた大倉喜八郎の功績は、東京商工会議所の設立や鹿鳴館の建設、帝国ホテルやサッポロビール、大成建設ほかの多くの企業の設立、東京経済大や関西大倉学園などの教育機関の設立など、枚挙に暇がありません。
この喜八郎所有の、東京・向島の隅田川岸にあった別邸内に、「蔵春閣」という名の建物がありました。伝統的な日本建築の木造二階建て、内装は豪華な和洋折衷で、海外や政財界の要人をもてなす迎賓館として建造されたものです。
市は蔵春閣をJR新発田駅前の東公園へ移築すると決定。現在、移築・復元工事を進めています。さらに周辺を再整備して、地域全体を観光資源化してまちの活性化に結びつける方針で、一連の事業に寄付金を活用します。もちろん、蔵春閣を永く親しまれる場所とするための、継続的な維持管理も行います。
【新潟県・新発田市】新発田市出身の実業家、大倉喜八郎の別邸を移築し駅前を活性化
地域の偉人の功績を讃える事業は文化的、教育的な価値が高く、またその協力企業に対して好意的に感じる人々も増えることでしょう。
近代日本の礎を築いた大倉喜八郎の功績は、東京商工会議所の設立や鹿鳴館の建設、帝国ホテルやサッポロビール、大成建設ほかの多くの企業の設立、東京経済大や関西大倉学園などの教育機関の設立など、枚挙に暇がありません。
この喜八郎所有の、東京・向島の隅田川岸にあった別邸内に、「蔵春閣」という名の建物がありました。伝統的な日本建築の木造二階建て、内装は豪華な和洋折衷で、海外や政財界の要人をもてなす迎賓館として建造されたものです。
市は蔵春閣をJR新発田駅前の東公園へ移築すると決定。現在、移築・復元工事を進めています。さらに周辺を再整備して、地域全体を観光資源化してまちの活性化に結びつける方針で、一連の事業に寄付金を活用します。もちろん、蔵春閣を永く親しまれる場所とするための、継続的な維持管理も行います。
【新潟県・新発田市】新発田市出身の実業家、大倉喜八郎の別邸を移築し駅前を活性化
地域の偉人の功績を讃える事業は文化的、教育的な価値が高く、またその協力企業に対して好意的に感じる人々も増えることでしょう。