【寄付先探しのヒント】移住・定住に取り組むプロジェクト3選
2022-08-24 08:00:00
上から見た道志村の様子

人口減少が進む自治体では、その解決策のひとつとして移住・定住の促進に力を入れています。移住希望者向けの住宅整備や移住体験の実施、補助金による支援、まちの魅力発信ツールの作成など、移住・定住促進に取り組む3つのプロジェクトを紹介します。

【山梨県・道志村】村に新しい人の流れを ~村営住宅設置プロジェクト~

山梨県東南端の神奈川県境に位置する道志村の取り組みです。同村は、人気観光地である富士五湖エリアからのアクセスがよく、豊かな自然に恵まれた村ですが、近年は人口減少が著しく進んでいます。移住・定住の促進に力を入れていますが、移住希望者がいても住居の物件数が少なく、なかなか移住につながっていません。

その問題を解消すべく、このプロジェクトでは移住希望者に提供するための村営住宅を設置します。若い世代が田舎で快適に生活できるよう71.2平方メートルの戸建住宅とし、安価な家賃設定や家賃減額措置など、子育て世代への援助の態勢も整えます。

村では、このプロジェクトを移住・定住促進政策の柱となる事業として位置づけています。まずは受け皿を整えることで人の流れを生み出し、ここから多方面に拡げることで村内の活性化につなげていく考えです。

【山梨県・道志村】村に新しい人の流れを ~村営住宅設置プロジェクト~

【香川県・さぬき市】移住・定住促進プロジェクト

さぬき市の風景
香川県の東部にあるさぬき市は、北は瀬戸内海、南は徳島県に接する風光明媚なまちです。高松市の通勤圏という利便性と、海や山に恵まれた「ほどよい田舎」という魅力を併せもっていますが、近年では人口減少が続いています。これに歯止めをかけるため、移住・定住促進につながる新たな取り組みを始めました。

このプロジェクトでは、さぬき市での実際の暮らしを体験してから移住を決めることを支援するため、山間部の廃校を移住体験ハウスとして改修し運営します。また、「さぬき暮らし応援補助金」により学生・若者の暮らしを支援し、人材の定住促進による地域活性化を図ります。これまでも行ってきた定住促進奨励金や結婚定住奨励金については、多様性を支援する取り組みとして、「さぬき市パートナーシップ」の宣誓をした方も対象となるよう制度を拡充しました。

こうした取り組みを確実に積み上げることで、「住んでみたい」「住み続けたい」まちづくりへとつなげたい意向です。

【香川県・さぬき市】移住・定住促進プロジェクト

【愛知県・美浜町】移住・定住プロモーション「みはまデイズ」プロジェクト

みはまデイズのイベントの様子
愛知県知多半島南部にある美浜町は、伊勢湾と三河湾に面した自然豊かなまちです。名古屋から特急電車で約50分、車なら40分ほどでアクセスできる立地にあり、2005年までは人口増加が続いていました。しかしその後、人口減少に転じており、このまま人口減少が進行すると、地域経済の後継者や担い手不足、地域コミュニティの衰退といった課題に直面することとなります。

このプロジェクトでは、町の魅力を発信するために、フリーペーパー「みはまデイズ」を発行し、イベントの開催やPRグッズの開発にも取り組みます。また、移住を検討している人のモニターツアーでは、古い家屋をリノベーションして暮らしている移住者の自宅訪問や交流会を行いました。今後もこうしたモニターツアーを定期的に開催する予定です。

これらの取り組みによって町の魅力をより多くの人に知ってもらい、町内に点在する古民家や空き家を活用して、移住だけでなく二拠点生活やサテライトオフィスの誘致にも結びつけようとしています。

【愛知県・美浜町】移住・定住プロモーション「みはまデイズ」プロジェクト

移住・定住の促進は、自治体の人口減少に歯止めをかけ、地域を活性化させるための重要な施策です。一朝一夕で効果が表れるものではないため、長期間の取り組みが必要です。継続した取り組みのために、多くの自治体が企業からの支援を求めています。
(日下智幸)