【寄付先探しのヒント】観光でまちを盛り上げるプロジェクト3選
2022-08-17 08:00:00
大串自然公園の風景

自然環境や文化遺産など、地域には様々な観光資源が眠っています。これらを掘り起こし、新たな名所を育てることは、観光客を中心にした交流人口の拡大へとつながります。まちの新しい観光名所を整備する3つのプロジェクトを紹介します。

【香川県・さぬき市】絶景カフェを新たな交流拠点に!国立公園に堀部安嗣建築を

交流拠点を建設イメージ図
瀬戸内海に面した風光明媚なまち、さぬき市の取り組みです。瀬戸内海国立公園の一部である大串半島に、環境と景観に配慮した新しい交流拠点を建設します。設計は数多くの個人住宅などを手がけ、日本建築学会賞(作品)を受賞している堀部安嗣氏に依頼し、国立公園というロケーションにふさわしい施設になるよう、建物や周辺を整備します。

建物は景観を損なわないように木造平屋造りとし、時代や流行に左右されないシンプルな形でありながら、ワクワクするような要素も加えています。施設周辺には、かつてこの地に自生していた植物を種子から育苗します。

建物の着工は2023年春、完成は2024年3月ごろを予定しています。その後も建物周辺の整備を続け、地域の交流の場として育てる意向です。

【香川県・さぬき市】絶景カフェを新たな交流拠点に!国立公園に堀部安嗣建築を

【兵庫県・宍粟市】最上山公園もみじ山を軸とした観光まちづくり事業

しそう森林王国の紅葉
「しそう森林王国」として様々な事業に取り組んできた宍粟市の取り組みです。関西エリア屈指の紅葉の名所として知られる宍粟市山崎町の「最上山公園」とその西側に広がる「もみじ山」の周辺エリア一帯を活性化することを目標に、整備を進めます。

2021年度は、植樹や遊歩道の整備などを行いましたが、2022年度は引き続き、支障木の伐採や高木の剪定、広葉樹の植樹を行うとともに、観光駐車場の整備を進めます。これにより、観光客の満足度の向上を図り、市の魅力をアピールすることでリピーターの獲得を目指します。

【兵庫県・宍粟市】最上山公園もみじ山を軸とした観光まちづくり事業

【和歌山県・広川町】百世の安堵を感じるオーベルジュで地域活性化

戸田家の邸宅オーベルジュ
江戸時代から製網業を営んでいだ戸田家の邸宅をオーベルジュ(宿泊施設を備えた飲食施設)に改修し、地元産業の持続的な発展や観光・雇用創出を目指す取り組みです。

大正後期建築の主屋や網工場、大座敷棟などからなる「旧戸田家住宅」は、国の登録有形文化財になっている建造物です。広川町広地区の伝統的な町並みを代表する建造物であり、日本遺産「百世の安堵(ひゃくせいのあんど)~津波と復興の記憶が生きる広川の防災遺産~」の構成文化財でもあります。

この貴重な文化財に宿泊して、地元産の山海の幸を使った料理や地域の人たちとのふれあいを楽しみながら、町の歴史や文化を体感してもらう予定です。周辺を「暮らすように滞在するエリア」と位置づけて観光誘致に取り組み、さらには、エリア一帯での施設整備が地域の経済発展や特産品のブランド化につながることにも期待を寄せています。

【和歌山県・広川町】百世の安堵を感じるオーベルジュで地域活性化

地域に残る自然環境や建物を整備して新たな観光資源として活用しようとする取り組みには、単なる観光客誘致だけでなく地域全体の活性化への期待も込められています。こうした事業への支援は地域や訪れる人の目にもとまりやすく、企業の社会貢献活動としてのPR効果も期待できそうです。
(日下智幸)