【寄付先探しのヒント】個性的なベネフィットから探してみる
2022-05-06 08:00:00
山間の向こうに広がる海と空

企業版ふるさと納税を活用して寄付を実施する際、どの自治体のどのプロジェクトに対して支援をするかを決めることになります。縁のある自治体のプロジェクトや、プロジェクトの内容が企業の理念に合致していることが重視される傾向にありますが、得られるベネフィットから選ぶという選択肢もあります。ここでは、個性的なベネフィットを用意しているプロジェクトをご紹介。興味がある企業にとってはどれもが魅力的なベネフィットなので、ぜひ参考にしてください。

【鹿児島県・瀬戸内町】日本屈指の透明度を誇る海を活かした 企業誘致・リモートワーカー誘致プロジェクト

紺碧の海と山
奄美大島の南端に位置する瀬戸内町では、SDGsへの取り組みや、ブルーカーボンプロジェクトの取り組みを始めており、これらの活動に参加してもらえる企業やリモートワーカーの誘致に取り組んでいます。企業が参加できるモニターツアーを多数開催することで、ワーケーションや働き方改革を進める企業のニーズを拾い、その環境を整えることを目指しています。

このプロジェクトでは、寄付に対するベネフィットとしてモニターツアー企画会議への参加や、オリジナルモニターツアーの共同開発を挙げています。企業のニーズを組み込んだオリジナルモニターツアーは、8名程度が参加できる2泊3日の日程とし、ツアーコーディネート代やアクティビティなどの提供コンテンツ費、ツアー内での移動・飲食・宿泊費、ツアー参加者向けの現地プレミアム商品券などに寄付金を充当します。

モニターツアーへの当選が約束されるものではありませんが、豊かな自然環境を舞台にした研修を検討している企業にとっては魅力あるプロジェクトといえます。ダイビングやシュノーケリング、ホエールウォッチングなど、海を舞台にしたアクティビティを組み込めるのも魅力です。

【鹿児島県・瀬戸内町】日本屈指の透明度を誇る海を活かした 企業誘致・リモートワーカー誘致プロジェクト ~人材開発プログラム併設~

【熊本県・錦町】山の中の海軍のまち「人吉海軍航空基地資料館」に原寸大飛行機模型を!

「人吉海軍航空基地資料館」原寸大飛行機模型
太平洋戦争末期に建設された「人吉海軍航空基地」の跡地には「にしき ひみつ基地ミュージアム(人吉海軍航空基地資料館)」があり、戦争末期の情勢や地元の人々の生活を肌で感じることができるフィールドミュージアムとして町の重要な観光拠点になっています。この事業は、当時の「九三式中間練習機」の原寸大模型の製作・展示をはじめ、ミュージアム周辺の戦争遺構見学ルートの整備や修学旅行生などに提供する平和教育プログラムの構築などの整備を一体的に進めるというものです。

既に飛行機模型は完成し展示されていますが、引き続き平和教育プログラムへの取り組みに対する支援を募っています。寄付の金額に応じて、にしき ひみつ基地ミュージアムの催しへの招待やミュージアムパンフレットへの企業名の掲載、寄付企業とミュージアムコラボのオリジナルクリアファイルの製作など、多彩なベネフィットが用意されています。

さらに、寄付企業が指定する学校や団体などへの平和学習の提供、ミュージアム内に企業紹介ブースの設置、社員研修などの企画への支援など、金額に応じて様々なベネフィットから選ぶことができます。

【熊本県・錦町】山の中の海軍のまち「人吉海軍航空基地資料館」に原寸大飛行機模型を!

【京都府・京都市】世界遺産・二条城本格修理事業

世界遺産・二条城
京都市では、数多くの事業に対して企業版ふるさと納税による支援を募っていますが、なかには個性的なベネフィットを掲げるものもあります。

この事業は、徳川家康による築城以来400年ぶりの大工事となる本格修理であり、世界遺産である二条城を未来へとつなぐための重要な事業と位置づけられています。事業は20年間という期間と総額100億円以上の資金を必要としており、企業版ふるさと納税だけでなく、個人や企業からの様々な寄付を募っているところです。

寄付のベネフィットには、一日城主招待(ペア)や、一日城主抽選券など、金額に応じたベネフィットが設定されています。「一日城主」になると、国宝・二の丸御殿の大広間一の間に入室して将軍と同じ場所での記念撮影、重要文化財である障壁画の模写制作現場の見学など、特別な1日を過ごすことができます。

これは、「一口城主募金」として個人からの寄付も募っている事業ですが、企業版ふるさと納税を活用することで最大約9割の税の軽減効果が見込めるため、歴史や伝統文化に興味のある企業経営者から注目されています。

【京都府・京都市】世界遺産・二条城本格修理事業

自治体ホームページや広報誌、芳名版への寄付企業名の掲出や、感謝状の贈呈などがベネフィットとしては一般的ですが、ここで紹介したようにベネフィットを強化することでプロジェクトをアピールする例もあります。これらのベネフィットについては、ふるさとコネクトの寄付プロジェクト記事内でも紹介されているので、どのようなベネフィットがあるか探してみてはいかがでしょうか。