【寄付企業に聞く】50周年の記念行事で復興への思いを届ける~神奈川県・京浜警備保障株式会社~
2022-03-17 08:00:00
京浜警備保障株式会社 岡本誠一郎さん

ふるさとコネクトから寄付を実施した企業に話を聞くシリーズ。今回は、横浜市や川崎市で警備のサービスを提供する京浜警備保障株式会社(=以下京浜警備保障)です。2021年に創立50周年を迎えた同社は、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県双葉郡の5町に、総額200万円の寄付を行いました。その経緯や思いを、代表取締役社長の岡本誠一郎さん(=写真)にお聞きしました。

きっかけは10年前。仲間からの懇願を受けロータリークラブを通して被災地を支援

京浜警備保障と福島県双葉郡との関係は、2011年3月の東日本大震災に遡ります。当時、加盟していた社会奉仕団体ロータリークラブのメンバーだった東京電力の社員が、原発の処理のため福島に赴任することになったといいます。その際に、特に被害が大きかった福島県双葉郡への支援を懇願されました。

「東電(東京電力)の社員としての思いもあったと思います。その気持ちを受けて、ロータリークラブを通して様々な支援を行ったのが始まりです」と岡本社長は振り返ります。ロータリークラブの幹事だった岡本社長は震災の年に郡内の町役場などを訪問しており、その際にロータリークラブとしてのつながりができたといいます。
避難者受け入れの様子
(写真:双葉郡からの避難者の受け入れ先となった郡山市のビッグパレットふくしま)

お祝いムードが一変。創立50周年事業で社会貢献を

その後、時間がたつにつれて双葉郡とのつながりは薄くなっていたという岡本社長。被災地支援への思いは、会社の創立50周年の節目に大きくなったといいます。
クオカード
「弊社は2021年4月1日に創立50周年を迎えました。大きな節目の年を迎えるにあたり、記念事業を行う予定で資金を用意していましたが、コロナ禍は収束する気配がないばかりか、直前に創業者の長男で弊社の代表取締役会長でもあった谷口嘉弘氏が急逝されました」と岡本社長。「記念式典などの行事はすべて中止して、記念プリペイドカードをお取引先や関係業界などに挨拶文とともに配布しました」と続けます。

あれから10年。新たな支援をきっかけに町との交流を続けたい

京浜警備保障株式会社 岡本誠一郎さん
一度は、プリペイドカードの配布をもって記念事業の代わりにすることを決めたものの、何か別の形で記念に残る事業を行いたいという思いは断ち切れなかったという岡本社長。「社会奉仕事業として寄付金の贈呈を行う事にしました」。

寄付先の選定には大きな迷いはなかったといいます。「検討を始めてすぐに浮かんだのが双葉郡の町でした。震災から10年の節目が当社の創立50周年に重なったのは何かの縁。『創立50周年記念社会奉仕事業』として復興途上の双葉郡にある大熊町、双葉町、浪江町、富岡町、楢葉町に総額200万円を寄付する事にしました」。このことを毎月行っている役員会議で提案したところ快く了承され、寄付に至ったといいます。

「寄付金に対する町からの感謝状は大切に保管し、弊社のホームページにも掲載しています。また今回の寄付をきっかけに各自治体と新たな交流が生まれました。富岡町とはロータリークラブを通した支援プロジェクトを進めています」といい、被災地への支援は何らかの形で続けていきたいと岡本社長は話します。

また、今回は記念事業としてでしたが、「今後は、企業マッチング事業としてどこかの自治体などと連携を図りたい」と岡本社長。「例えば、いまだに避難生活を余儀なくされている地域では、当社の得意分野でもある監視カメラの提供などで力になれそうだと感じています。当社の実績と経験をもとに、何かお役にたてるような提案をしていきたいと思っています」と、岡本社長は支援への思いを話してくれました。
(日下智幸)


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京浜警備保障株式会社

机を並べて囲むように座る男女
横浜市と川崎市を中心に、地域に密着した様々な警備システムを提供する警備会社。事務所や工場などの事業所や個人宅への機械警備システムをはじめ、官公庁関連のイベントなどでの警備業務など、豊富な実績をもち、地域からは高い信頼を得ています。また、近年は高齢者関連施設などでの緊急通報システムの需要も増えており、ニーズに応じた現場での対応力が高く評価されています。(写真:法定研修会を終えて。研修生4名と講師の皆さん)
本社:神奈川県横浜市神奈川区神奈川2-8-8 第一川島ビル 5階
Tel:045-461-0101
京浜警備保障株式会社