【寄付先探しのヒント】ワーケーション推進に取り組むプロジェクト3選
2022-02-08 08:00:00
海と夕焼け

国の政策に加えて、新型コロナウイルス感染防止の意味もあって、テレワークやワーケーションという働き方のニーズは高まる一方です。自治体側も、地域の特色を活かし、オリジナリティに富んだ様々なワーケーションプロジェクトを提案しています。今回は、海の魅力やマリンレジャーを満喫できるワーケーションプロジェクトを3つご紹介します。

【鹿児島県・瀬戸内町】日本屈指の透明度を誇る海を活かした企業誘致・リモートワーカー誘致プロジェクト

テーブルと椅子が並ぶ室内とバルコニーの様子
鹿児島県瀬戸内町は、2021年に世界自然遺産に登録された奄美大島の最南端に位置し、日本で唯一の海峡を有する風光明媚な自治体です。加計呂麻島と、その間を流れる大島海峡一帯は、200種ともいわれるサンゴやザトウクジラをはじめとする多様な生物の宝庫となっています。また、海の透明度は日本屈指といわれる美しいものです。

町では、SDGsや、海洋生物を育て、海洋生態系が吸収・貯留する二酸化炭素を増やす「ブルーカーボンプロジェクト」を進めており、これに協力する企業とリモートワーカーの誘致を、企業版ふるさと納税のプロジェクトとしています。

具体的には、テレワーク施設などのハード面が整備できたことから、いくつかのモニターツアーを実施し、ワーケーションを進めたい企業のニーズを理解したうえで、従業員の成長を促し、企業の発展と瀬戸内町の発展のシナジーを生み出せるようなプランを設計する方針です。モニターツアーは複数の企業が参加できる一般公募型とし、寄付を行った企業も応募対象となっています。

【鹿児島県・瀬戸内町】日本屈指の透明度を誇る海を活かした企業誘致・リモートワーカー誘致プロジェクト

【静岡県・焼津市】やいづ版ワーケーション推進事業

ハンモックやプリンターが置かれた室内の様子
静岡県焼津市は、温暖な気候や、富士山や駿河湾を望む雄大な景観、カツオやマグロなどの豊かな海の恵みといった、まちの魅力を堪能できる、「焼津版ワーケーション」を展開し、まちの活性化を目指しています。

市は、JR焼津駅から徒歩2分の場所に、通信環境はもちろん、個別ブースや打ち合わせスペースも設けた、法人向けテレワーク施設を開設しています。プロジェクトではこの施設を仕事の拠点にしたうえで、さらに遊漁船での釣りやカツオ節づくりなど、独自の産官連携プログラムを提供して、独自のワーケーションを構築するとともに、利用する企業や個人事業主と地元業者が交流する場をつくり、イノベーションやコラボレーションが生まれることを期待しています。

また、ワーケーション利用者とまちの橋渡し役として地域プロジェクトマネージャーを配置しました。新規事業の創出や課題解決につなげる方針で、2017~2020年に地域おこし協力隊として活動していた「水産庁水産女子」メンバーで釣りガールの三浦愛氏が担当です。

【静岡県・焼津市】やいづ版ワーケーション推進事業

【熊本県・上天草市】ワーケーション推進事業

釣りをしている様子
熊本県上天草市は、県西部の、有明海と八代海が接する天草エリアに位置し、そのほぼ全域が雲仙天草国立公園に含まれるという、風光明媚なまちです。多くの島々から形成される上天草市では、絶好の環境を活かしたワーケーション事業を、企業版ふるさと納税の対象事業としています。

コンセプトは、離島に滞在して海を眺めながら仕事ができる場所。まずは「上天草=ワーケーション」というイメージを県の内外に発信することを目指しています。その具体策としては、シェアオフィスとお試し居住スペースの機能を併せもった上天草市湯島交流施設を拠点に、島での釣りやSUPヨガなどのマリンアクティビティを体験するメニューを加えたモニターツアーを、2020年度から開催。この体験の様子を市の公式SNSや移住・テレワーク関連の雑誌・WEBで発信する予定です。さらには、市内の宿泊施設でも、ワーケーションに対応した宿泊プランを企画するなど、様々なプランの商品化を推し進める予定です。

【熊本県・上天草市】ワーケーション推進事業


バケーションの部分はそれぞれ個性的なプランを組む一方、ワークに使う施設は、快適に業務に勤しむことができる機能的な施設を新設しています。いずれの自治体も、企業の参加と協力を期待しています。
(オフィス・プレチーゾ 桜岡宏太郎)