【寄付先探しのヒント】レジャーをまちおこしにつなげるプロジェクト3選
2022-02-01 08:00:00
森林の中を歩く男女

アウトドア系レジャーやスポーツは、野外で、人と距離を保って楽しむこともあり、コロナ禍の時代に支持が高まっています。広い砂浜に様々な波がコンスタントに打ち寄せるまちはサーフィンで、数々の島からなるまちは海釣りの聖地として、森と清流のまちはアウトドアと旅を融合した新しい行動で。それぞれの特徴を利用して、活性化と関係人口・交流人口の増加を目指します。

【宮崎県・日向市】「リラックス・サーフタウン日向」プロジェクト

サーフィンの様子
宮崎県日向市はサーフタウンとして知られ、世界大会の開催が可能な「お倉ヶ浜」や「金ヶ浜」という国内屈指のサーフスポットがあります。

市はこの恵まれた環境を活用し、2016年から、サーフィンを核に観光消費額の増加や移住促進を進め、まちの活性化につなげる「リラックス・サーフタウン日向」プロジェクトを始めています。PR動画やSNS、HPなどでの情報発信の結果、サーフィン関連での来訪者は2015年の22万人から2018年には26万人にまで増加しました。また2017年には、アジア初となるISA(国際サーフィン連盟)主催の世界ジュニアサーフィン選手権を開催するなど、様々な取り組みを進めた結果、民間投資も進み、近年では宿泊施設、観光関連施設がオープンしています。

今後はビーチバレーやビーチサッカーといったレジャー環境の整備のほか、ワーケーションオフィスの設置など、関係人口増加にも取り組みたい考えです。
世界から人が集まるサーフタウンへ。ビーチ関連全体の消費を伸ばす方針です。

【宮崎県・日向市】「リラックス・サーフタウン日向」プロジェクト 

【熊本県・上天草市】「釣り」をテーマにブルーツーリズムを展開する交流人口拡大事業

多数の島々からなる熊本県上天草市は、大手釣具メーカー主催の全国釣り大会では決勝会場に選ばれた、釣り人にとっての憧れの場所です。ただ、来訪者のほとんどは海釣り目的で、一般の観光客の関心は薄いのが現状です。

密を避けて楽しめる釣りは、これからの有力な観光資源と考える市では、海釣りを楽しみながら漁村などに滞在する「ブルーツーリズム促進事業」を展開し、交流人口や関係人口の拡大、移住促進につなげる考えです。

一方で、ゴミのポイ捨てや海を汚すなどの迷惑行為問題や、釣り客は釣り以外の活動が少なく経済効果が低いという課題については、ブルーツーリズムに関する市民メンバーとの会議や、釣り船などの関連業者、市内の飲食店などをメンバーとするブルーツーリズム推進会議で検討を重ねています。ブルーツーリズム推進会議では、「釣った魚は飲食店で調理・飲食し、残った魚は自宅に発送、釣り人は市内に宿泊」を実現するワンストップサービス案などが提案され、現在、実現に向けた検討がなされています。

【熊本県・上天草市】「釣り」をテーマにブルーツーリズムを展開する交流人口拡大事業 

【兵庫県・宍粟市】宍粟市アウトドアフィールド推進プロジェクト

マウンテンバイクでサイクリングする女性2人
兵庫県宍粟市は、面積の約9割を森林が占める、山と樹木と清流に恵まれたまちです。一方、急激な人口減少からくる経済の縮小、人手不足、事業の縮小は深刻な問題となっています。

この状況に、市は、その豊かな自然を活かしたアウトドア・アクティビティによって、まちに賑わいをもたらし、経済を活性化し、交流人口の増加と雇用の確保を実現しようと考えました。

その方針の中心となるのは「ジャパンエコトラック」。それはトレッキング、カヤック、自転車など人力による方法を駆使して自然を堪能し、まちの文化や歴史を学び、地域の人々と交流しながら移動する、新しい旅のスタイルで、養老孟司東大名誉教授を代表理事とする推進協議会が提唱しています。

市はこの考えに基づく観光ルートを設定したり、観光ガイドマップや案内標識を作成します。ガイドマップは全国展開のアウトドア用品店でも配布して、これまで同市を認識していなかったアウトドアファンにもPRする予定です。

【兵庫県・宍粟市】宍粟市アウトドアフィールド推進プロジェクト 


海、山、川、湖など、環境が整わなければ楽しめないアウトドア系のレジャーを活性化につなげる試みは、限られたまちだけが挑める取り組みです。一方で、スポーツやレジャーに関心の高い企業にとっては、多くのファンにPRできる見逃せないプロジェクトといえるでしょう。
(オフィス・プレチーゾ 桜岡宏太郎)