【寄付先探しのヒント】まちの文化を未来へとつなぐプロジェクト3選
2022-01-25 08:00:00
まちに伝わる大切な文化や歴史、風俗を守り、未来へつなぐ試みが、今、日本の各地で始まっています。愛知県瀬戸市のせとものにまつわる文化財。熊本県山都町の勇壮な祭事や伝統芸能。大阪府泉佐野市の銭湯とその地域一帯。いずれも、私たち日本人にとって興味深く重要な、文化や歴史です。それぞれに工夫を凝らした、その取り組みを紹介します。
【愛知県・瀬戸市】瀬戸市にある国登録有形文化財を保存・活用した地域活性化プロジェクト
愛知県瀬戸市は、言わずと知れた焼き物のまち。まちの焼き物の歴史は世界的にも極めて長く、1000年にも及ぶ間、焼き物が焼かれてきました。“せともの”ということばが東日本を中心に陶磁器の総称となったのも頷けるところです。
この焼き物のまちは、住みたいまち、誇れるまちを目指した様々な施策を講じています。そのひとつが、歴史あるまち並みの景観を保存しながら、古民家などの価値の高い建造物を再整備する試みです。
ここで紹介するプロジェクトは、2015年に国登録有形文化財になった、明治期開業の陶磁器卸問屋の「旧山繁商店」を保存し、地域活性の拠点として活用していこうというものです。これにより、地域の活性化と焼き物文化の継承を同時に実現しようと考えています。
リノベーションにあたって、市では住民の意見を反映させる方針です。
【愛知県・瀬戸市】瀬戸市にある国登録有形文化財を保存・活用した地域活性化プロジェクト
この焼き物のまちは、住みたいまち、誇れるまちを目指した様々な施策を講じています。そのひとつが、歴史あるまち並みの景観を保存しながら、古民家などの価値の高い建造物を再整備する試みです。
ここで紹介するプロジェクトは、2015年に国登録有形文化財になった、明治期開業の陶磁器卸問屋の「旧山繁商店」を保存し、地域活性の拠点として活用していこうというものです。これにより、地域の活性化と焼き物文化の継承を同時に実現しようと考えています。
リノベーションにあたって、市では住民の意見を反映させる方針です。
【愛知県・瀬戸市】瀬戸市にある国登録有形文化財を保存・活用した地域活性化プロジェクト
【熊本県・山都町】260年以上続く五穀豊穣への願い 民族文化の保存・継承・活用事業
熊本県山都町には、歴史的価値の高い祭事や文化が数多く伝承されています。そのひとつ、約260年続く「八朔祭」は、「大造り物」とよばれる巨大な山車の引き廻しで知られる勇壮な祭りで、仁王像の大造り物が国立民族学博物館に常設展示されていることからも、文化的価値の高さを伺い知ることができます。ほかにも約460年の歴史をもつ「火伏地蔵祭」や、県指定の重要無形文化財の「清和村文楽人形芝居」、「神楽」などの伝統芸能が継承されています。
ところが、近年は高齢化や人口減少などに加え、祭りや伝統芸能の知名度の低さも重なり、その担い手が不足。存続さえ危ぶまれる状況になっています。
この現状を打破すべく、町ではwebページを制作しこの伝統文化を、日本のみならず世界に向けて情報発信し、若者の関心と祭りや伝統芸能への参加を促す取り組みを始めました。具体的には、大造り物を通年展示する「大造り物小屋」の複数設置とそれを利用した観光ルートの提案、さらに農業体験ができる宿泊をセットにしたプランの新設などを検討しています。さらに、八朔祭を世界に向けて4K・8K映像でライブ配信し、オンライン参加も可能にする計画です。
【熊本県・山都町】260年以上続く五穀豊穣への願い 民族文化の保存・継承・活用事業
ところが、近年は高齢化や人口減少などに加え、祭りや伝統芸能の知名度の低さも重なり、その担い手が不足。存続さえ危ぶまれる状況になっています。
この現状を打破すべく、町ではwebページを制作しこの伝統文化を、日本のみならず世界に向けて情報発信し、若者の関心と祭りや伝統芸能への参加を促す取り組みを始めました。具体的には、大造り物を通年展示する「大造り物小屋」の複数設置とそれを利用した観光ルートの提案、さらに農業体験ができる宿泊をセットにしたプランの新設などを検討しています。さらに、八朔祭を世界に向けて4K・8K映像でライブ配信し、オンライン参加も可能にする計画です。
【熊本県・山都町】260年以上続く五穀豊穣への願い 民族文化の保存・継承・活用事業
【大阪府・泉佐野市】国有形登録文化財 大将軍湯 再生支援事業
大阪府泉佐野市では、戦前に建てられ国の有形文化財に登録されている銭湯を保存・整備し、地域の観光や交流の拠点として活用するプロジェクトを進めています。
その名も「大将軍湯」という木造の銭湯は、江戸時代に豪商が居を構え、その後も農民、漁民、商人がともに暮らしながら独自の文化を形成したとされる旧市街地の一角にあります。一帯は「さの町場」とよばれる、狭く迷路のような通りに町屋や古い蔵が残る風情あるまち並みで、大将軍湯は、そのランドマーク的存在となっています。
銭湯の再生後は、まちのコンシェルジュ・レセプション機能をもたせたり、和服レンタル・着付けスペースやくつろぎのカフェを併設したりする案が提出されており、実は関西国際空港にほど近いという立地を活かした観光資源としての役割を強化します。加えて、地域の人々に愛される、地域交流の中心スポットにもなる予定です。
【大阪府・泉佐野市】国有形登録文化財 大将軍湯 再生支援事業
まちの文化や歴史は、まちに生きる人々の誇りであり、まちの外から来る人にとっては強い魅力となる、重要な観光資源でもあります。その文化や歴史を守り後世に継承する事業に対して、各地の自治体が、民間の経済的支援や技術サポートを求めています。どれもが一考の価値ある、重要な取り組みといえます。
(オフィス・プレチーゾ 桜岡宏太郎)
その名も「大将軍湯」という木造の銭湯は、江戸時代に豪商が居を構え、その後も農民、漁民、商人がともに暮らしながら独自の文化を形成したとされる旧市街地の一角にあります。一帯は「さの町場」とよばれる、狭く迷路のような通りに町屋や古い蔵が残る風情あるまち並みで、大将軍湯は、そのランドマーク的存在となっています。
銭湯の再生後は、まちのコンシェルジュ・レセプション機能をもたせたり、和服レンタル・着付けスペースやくつろぎのカフェを併設したりする案が提出されており、実は関西国際空港にほど近いという立地を活かした観光資源としての役割を強化します。加えて、地域の人々に愛される、地域交流の中心スポットにもなる予定です。
【大阪府・泉佐野市】国有形登録文化財 大将軍湯 再生支援事業
まちの文化や歴史は、まちに生きる人々の誇りであり、まちの外から来る人にとっては強い魅力となる、重要な観光資源でもあります。その文化や歴史を守り後世に継承する事業に対して、各地の自治体が、民間の経済的支援や技術サポートを求めています。どれもが一考の価値ある、重要な取り組みといえます。
(オフィス・プレチーゾ 桜岡宏太郎)