屈斜路湖を見下ろす絶景のトレイルルートを整備 北海道美幌町
2024-03-15 17:00:00
観光振興の起爆剤に。全長22kmのトレイルを切り拓く
美幌町の名前の由来は、アイヌ語の「ピ・ポロ」。「水多く・大いなる所」を意味する名が示すとおり、町には大小60本を数える美しい川が流れ、豊かな自然に恵まれています。また、全道の町村に先がけて都市計画区域の指定を受けて計画的に市街地が整備され、道東有数の町として発展してきました。
市街地の東側にある標高525mの美幌峠は、眼下に横たわる屈斜路湖や、噴煙を吐く硫黄山、さらには知床連峰や大雪の峰々が連なるパノラマが広がる眺望スポットです。ここからの絶景を求めて年間60万人以上の観光客が訪れ、町一番の観光地となっています。ところが、ここから町の中心地へと足を運ぶ観光客は少なく、町への滞在時間が短いことが大きな課題となっています。
整備を進めている「屈斜路カルデラトレイル」(略称:KCT)は、屈斜路湖の北から西側にかけて藻琴山、美幌峠、津別峠を結ぶ、全長約22kmのトレイル(=歩くための道)です。穏やかな起伏をもつ絶景のトレイルで、北海道のダイナミックな自然を存分に楽しむことができます。美幌町と隣接する津別町、大空町による美幌地区三町広域観光協議会が母体となって整備を進めており、開通すればトレイルを歩くハイカーなど観光客の増加が見込まれ、観光振興の促進に向けて大きな期待が寄せられています。
整備を進めている「屈斜路カルデラトレイル」(略称:KCT)は、屈斜路湖の北から西側にかけて藻琴山、美幌峠、津別峠を結ぶ、全長約22kmのトレイル(=歩くための道)です。穏やかな起伏をもつ絶景のトレイルで、北海道のダイナミックな自然を存分に楽しむことができます。美幌町と隣接する津別町、大空町による美幌地区三町広域観光協議会が母体となって整備を進めており、開通すればトレイルを歩くハイカーなど観光客の増加が見込まれ、観光振興の促進に向けて大きな期待が寄せられています。
ようやく開通した調査道。課題を解決しながら本格運用を目指す
トレイルルートの整備が本格的に始まったのは、2018年ごろ。想像以上に深かったという笹藪を切り拓きながら道を作り、全線約22kmのトレイルルートが「調査道」として開通しました。既に人が歩ける状態ではあるものの、実際に観光客を迎えるための条件である「安心・安全の確保」が求められており、近年各地で問題となっているヒグマの行動域の把握や緊急時のエスケープルートの確保など、今後さらなる調査・整備が必要です。また、ルート周辺には稀少な高山植物や野鳥などが存在することから、いかに環境にストレスを与えないよう観光客を迎え入れるかも大きな課題となっています。
ルートは2024年度中の運用開始を目指していますが、運用開始後も観光客誘致のためのPR活動やガイドの育成など、ソフト事業に多額の費用が見込まれるほか、笹狩りなどトレイルを維持管理するための費用も必要になってきます。
これらの費用を補うため、町では企業版ふるさと納税を活用した寄付を募っています。
ルートは2024年度中の運用開始を目指していますが、運用開始後も観光客誘致のためのPR活動やガイドの育成など、ソフト事業に多額の費用が見込まれるほか、笹狩りなどトレイルを維持管理するための費用も必要になってきます。
これらの費用を補うため、町では企業版ふるさと納税を活用した寄付を募っています。
木材商社が事業を支援。町の発展を応援してくれる企業に感謝
今回のトレイル整備にあたり、小樽に本社を構える「新宮商行」から4年間に及ぶ多額の寄付の申し出がありました。同社は木材製品や農林用機械の輸入や製造販売、社有林の経営などを行っており、美幌町に社有林をもつことから、古くから深い関わりがあったといいます。観光を契機に美幌町そのものや豊かな自然、さらには林業のことを多くの人に知ってほしいという思いが寄付につながり、事業が順調に進んでいるのは同社のおかげと担当者は話します。町は、同社の社有林や工事用道路などの施設を活用した体験型観光の推進にも取り組んでおり、寄付をきっかけに同社との絆はさらに深まったといいます。
新しいトレイルルートの運用開始が目前に迫るいま、前述した課題解決に向けて他の自治体との連携をさらに深めていく必要があります。また、観光客が訪れるようになってからも、さまざまな課題が表面化することも予想されています。こうしたことを一つひとつクリアにしながら、この「屈斜路カルデラトレイル」を大切に育て、地域経済の活性化につなげたいと担当者は話します。
新しいトレイルルートの運用開始が目前に迫るいま、前述した課題解決に向けて他の自治体との連携をさらに深めていく必要があります。また、観光客が訪れるようになってからも、さまざまな課題が表面化することも予想されています。こうしたことを一つひとつクリアにしながら、この「屈斜路カルデラトレイル」を大切に育て、地域経済の活性化につなげたいと担当者は話します。
町では、引き続き「屈斜路カルデラ外輪山トレイルルート」整備プロジェクトの寄付募集を行っています。プロジェクトを発信することで、さまざまな分野で町に協力してくれる企業と出会い、良好な関係を築いていきたいと締めくくってくれました。
(日下智幸)
(日下智幸)