アイドルユニットが山口県宇部市とコラボ。地方の魅力発信を担うBANZAI JAPANの活動に注目
2022-05-27 09:15:00
アイドルユニットとの記念写真

日本を元気に世界へ発信する47都道府県天下統一アイドル、BANZAI JAPANは、日本が誇る文化を世界に向けて発信していくプロジェクトとして結成されたアイドルユニットです。今回、その運営会社である株式会社カイゾクが、山口県宇部市が取り組む「まちなか花回廊応援プロジェクト」に寄付しました。この寄付がもたらしたのは花のある景観づくりだけではありません。アイドルユニットと自治体という新しい関係性が注目されています。

【山口県・宇部市】まちなか花回廊応援プロジェクト

きっかけはアイドルライブツアーへの協力。寄付を通して我々の活動を多くの人に知ってもらいたい

「コスパニック・エンタテインメント」の代表・我孫子弘高さん
今回、話をお聞きしたのは株式会社カイゾクが運営するプロダクション、「コスパニック・エンタテインメント」の代表・我孫子弘高さん(=写真)です。アイドルユニット「BANZAI JAPAN」のプロデューサーとして、アイドルの活動を通じて地方の魅力発信に取り組んでいます。「寄付のきっかけは、BANZAI JAPANの中心メンバーである藤崎姉妹が山口県出身ということで、山口県でライブツアーを行ったこと。協力してくれる自治体を探していたところ、手を挙げてくれたのが宇部市でした」と我孫子代表は話します。

「話が進むなかで企業版ふるさと納税の存在を知りました。多くのアイドルユニットが東京をはじめとする大都市圏を活動拠点にしているのに対し、BANZAI JAPANは地方創生につながる活動に力を入れています。今回寄付させていただいた大きな理由のひとつは、企業版ふるさと納税を通して我々の活動を世間の皆さんに広く知っていただきたいという思いからでした」と続けます。

当時、宇部市は複数のプロジェクトで寄付を募集していましたが、観光にも直結する「まちなか花回廊応援プロジェクト」への寄付を決定。これまで、BANZAI JAPANのメンバー自治体主催のイベントに参加したことはありましたが、「寄付という、もう1歩踏み込んだ関係を築いたのは初めて」と我孫子代表は話します。

ふるさと大使として宇部市をPR。ゆるキャラとのコラボでファンの間でも認知度アップ

藤崎姉妹と市長
宇部市からの寄付の感謝のしるしとして、市役所内で寄付の受領式が執り行われました。出席したのは我孫子代表とBANZAI JAPANの藤崎姉妹です。その際、藤崎姉妹と市長との談笑のなかで、「宇部ふるさと大使」の話が出たといいます。「寄付が決まった後、なにか宇部市のための活動をさせてもらえないかという相談はいただいていました。宇部市をPRしてくれる人というのがふるさと大使の条件なので、そういう意味では藤崎姉妹は適任でした」と宇部市移住定住推進課係長、久保恵美子さんは話します。

晴れて宇部ふるさと大使を拝命した藤崎姉妹は、SNSを通して宇部市のPRに力を入れているそうです。「細かいイベントまで拾っていただいていて、本当に宇部市のことをよく見てくれているなという印象です」と久保さん。また、藤崎姉妹が、宇部市の公式ゆるキャラ「チョーコクン」を好きだったことから、イベントの際にコラボが実現したことも。「それを知ったファンの方から、藤崎姉妹の誕生日イベントでチョーコクンのイラストを使わせてほしいという依頼を受けたこともあります。藤崎姉妹を通して宇部市の認知度は確実にあがっていると実感しています」と久保さんは話します。

寄付をきっかけにWIN-WINの協力関係を構築。小さな関係が大きな可能性へとつながる

市役所前の花壇の様子
「いただいた寄付金は、宇部市が花いっぱいになるよう感謝をもって有効に使わせていただいています」と話すのは宇部市公園緑地課副課長の盛重佳孝さん。「感謝の気持ちを込めて藤崎姉妹をイベントに招待したい気持ちはありますが、企業版ふるさと納税制度のルールのなかでお声がけしていきたい」と続けます。

「藤崎姉妹は本当に明るくて、そこにいるだけで場が和みます。これからもどんどん活躍していただき、宇部市のPRに貢献してほしいですね」と話す久保さん。「娘を見る親のような気持ちです」と笑います。
花の描かれた車の前で撮影する藤崎姉妹
一方、我孫子代表は、「宇部市での取り組みでは、藤崎姉妹を通してBANZAI JAPANというグループを知っていただくきっかけになっています。藤崎姉妹だけでなく、グループ全体で宇部市や山口県の活性化に貢献していきたい」と意欲を見せます。「企業版ふるさと納税の仕組みと、BANZAI JAPANのコンセプトは親和性が高く、ほかの自治体への横展開も期待できそう」と、今回の取り組みには手応えを感じているといいます。

今回、寄付する側、寄付を受ける側の双方からお話をお聞きして感じたのは、それぞれが相手方の認知度アップに大きく貢献しているということです。そして、お互いが相手方への感謝と応援の気持ちをもって接していることでした。宇部市とBANZAI JAPANの関係は、今後も良好な状態が続きそうでさらに新しい取り組みへの発展にも期待が寄せられています。企業版ふるさと納税とアイドルユニットという、一見、異色の組み合わせですが、今後全国に広がっていく可能性を秘めた新しい取り組みといえそうです。
(日下智幸)

BANZAI JAPAN

株式会社カイゾクが運営するプロダクション、「コスパニック・エンタテインメント」によるアイドルユニット。もともと日本がもつ素晴らしい魅力である「山」「川」「建造物」「料理」「技術」「アニメ」「お・も・て・な・し」そして「ヲタク」など、日本がどや顔で誇れる文化を世界に向けて発信していくプロジェクトとして結成。歌やダンスなどのパフォーマンスで、日本が世界に誇れるカルチャーを「見える化」して発信しており、日本の各都道府県出身のメンバーが、地元の魅力を伝える「伝道師」として活躍しています。
藤崎姉妹

藤崎姉妹

山口県出身、藤崎ふみと藤崎しおりの姉妹。山口県の伝道師として山口県のよさを全国に向けて発信中。
藤崎ふみ(=写真左)。2歳からピアノを始め、もっと音楽の知識や世界を広げるべく東京に大学上京。旭酒造公認「獺祭お姉さん」、「海山キッチン&バル特命アンバサダー」など。
藤崎しおり(=写真右)。山口県萩市「萩ぷりん亭」公認お姉さん。
今回、ともに宇部ふるさと大使に就任し、宇部市の魅力を全国に発信しています。

BANZAI JAPAN