令和5年に市内外から55,000人ものお客様が来た「さいき桜まつり」は、佐伯市の春の訪れを告げる最大のイベントです。神楽などの伝統文化や市民のダンスなどのステージパフォーマンス、市内の飲食店からの出店、吹奏楽部コンサートなどエリア一体で様々なイベントが行われ、多くの人でにぎわいます。 そのメインイベントである佐伯藩大名行列・明神太鼓は、初代佐伯藩の毛利高政公の参勤交代を模した行列です。市中大パレードの先陣を切って歩いていきます。 行列は、明神太鼓を先頭に豊後佐伯城(鶴屋城)の現存する唯一の遺構である櫓門からスタートし、歴代藩主が眠る毛利家の菩提寺・養賢寺まで続く「日本の道100選」にも選ばれた「歴史と文学のみち」を練り歩きます。また、佐伯市の企業からも一般参加者を募り、総勢100人がそれぞれの役の衣装を着て市内の幹線道路を練り歩き、沿道の方々に披露します。 「ふるさと佐伯の良さを、子どもから大人まで知ってもらい、後世にも伝えていきたい」、「佐伯を離れた人たちがまた帰ってきたいと思う行事をしたい」、「伝統的な行事を佐伯に残したい」との想いから、昭和55年の春まつり(当時)で第1回目の佐伯藩大名行列・明神太鼓が行われました。 当初、衣装などはレンタルの予定でしたが、今後も継続していきたいとの思いから、京都まで衣装の買い付けに赴き、準備が行われました。その都度試行錯誤を繰り返していく中で、まつりにはなくてはならないものとなり、令和4年度に無事40回目を迎えることができました。
明治の文豪・国木田独歩が「佐伯の春 先ず 城山に来たり…」と記したように、城山の麓の桜も咲き誇るなか開催される大名行列・明神太鼓は、佐伯市民の皆様や一般参加していただく佐伯市の企業の皆様からもとても楽しみにしていただいています。 しかし、事業立ち上げ当初から使用している衣装や小道具などが、経年劣化により使用限界が近づいてきています。大名行列を模した衣装は1人分でも非常に高額で、運営費では調整することはできず、このままでは事業継続が困難な状況です。 武家屋敷などの城下町の面影が残るここ佐伯市で、伝統文化の継承という切り口から、歴史的な環境の保全、交流人口の増加、地域活性化を実現したい。そのために、「佐伯藩大名行列・明神太鼓」を後世に継承していけるよう、皆様の御支援を賜りたいと思っています。
佐伯市では、まちのにぎわいづくりを市内企業の皆さまと取り組んでいるところです。このプロジェクトでは、実施団体である「佐伯商工会議所青年部」が主体で行うものであり、市は事業費に対する補助金を交付することで実施団体を支援しています。 今後は、市外の企業の皆さまとも一緒に取り組み、更なる地域活性化を目指してまいります。どうぞご支援いただき、開催時期に近くにお立ち寄りの際は佐伯の伝統文化を実際に体感にお越しください。