小林市は、宮崎県の南西部に位置する人口約4万2千人のまちです。霧島連山の豊かな自然に囲まれ、その自然環境は、重要な自然遺産として「霧島ジオパーク」と「綾ユネスコエコパーク」に認定されています。 70を超える湧水地があり、この天然水は農業用水や水道水として市民に恩恵を与えています。また、環境庁主催の「全国星空継続観察」で「星空が日本一美しい町」に5回も選ばれるなど、とても豊かな自然資源に恵まれています。 この豊かな自然環境もあり、農畜産業が盛んです。日本一を獲得した「宮崎牛」や黒豚、地鶏などのお肉、完熟マンゴー、アールスメロン、シャインマスカット、須木栗などのフルーツのほか、焼酎蔵やワイン工房等もあり「食の宝庫」とも呼ばれています。 しかしながら、人口減少や少子高齢などの影響を受けて、生産性の低下や労働力不足など、社会や地域経済に影響を与えています。これらの課題に対応するため、「希望する人が安心して子どもを生み育てられる環境をつくる」「転入・転出による人の流れを変える」「住み続けたいと思うまちをつくる」を基本目標に、地方創生に取り組んでいます。
(具体的な施策) 〇結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援 ① 出会い支援 ② 妊娠・出産支援 ③ 子育て支援 (考え方) 本市においては、合計特殊出生率が全国や宮崎県と比較して高い状況(H26年:市 1.84、国 1.42、県 1.69)にあるものの、本市で実際に生まれる子どもの数は、市民が理想としている子どもの数より少ないものと考えられます。 市では今後も引き続き、少子化のスピードを緩やかにするために出会いの機会の創出や安心できる地域医療体制の確保など、希望する人が安心して子どもを生み育てられる環境の整備に努めます。
(具体的な施策) 〇UIJターンの推進 ① 移住・定住促進のための総合的支援 〇若年層の地元定着の促進 ① 管内就職を希望する若者の就労支援 ②企業誘致・新規創業の促進 (考え方) 本市における人口減少は、15 歳頃から増えはじめる進学や就職に伴う市外への転出と、その後のUターンの少なさが大きな要因となっています。 このため、移住・定住促進のための総合的な支援を継続するとともに、デジタル技術の活用による若年層の定着促進と転出者の将来的なUターン促進を重視した取組を推進します。 また、介護の現場をはじめ新たな働き手が求められる分野において、市内の事業者や関係機関と連携の上、市内外からの人材の育成・確保に取り組むなど、本市への転入増につながる施策との連携を図ります。
(具体的な施策) 〇健幸のまちづくり ① 市民総ぐるみでの健康づくりと、健康にいい社会環境づくりの推進 〇各産業の活性化 ① 農林畜産業の「稼ぐ力」の向上 ② 商工業の「稼ぐ力」の向上 ③ 観光による「稼ぐ力」の向上 〇0歳から 100 歳までの小林教育の推進 ① 教育環境の充実 〇協働によるまちづくり ① 多様な主体との連携の推進 ② 関係人口の創出・拡大 〇活力のあるまちづくり ① 誰もが活躍できる社会づくりの促進 ② 仕事と生活の調和の推進 ③ SDGs の推進 ④ Society5.0 の実現に向けた未来技術の活用の推進 (考え方) 市民の生活の質の向上を図るため、健幸のまちづくりを推進します。 また、人口が減少する中で、いかに地域の活力を維持するかという観点から、働き手不足や地域経済の縮小等に対応するため、事業の拡大や承継を担う人材の育成・確保や、先端技術の導入などによる生産性の向上に取り組むとともに、他の産業との連携などによる高付加価値化を図り、デジタル技術を有効に活用し「稼ぐ力」のある産業の育成を推進します。 さらに、教育環境の充実、市内外の人・企業等との協働によるまちづくり、活力のあるまちづくりなど、市民を取り巻く生活環境の改善をデジタル技術によって向上させ、いつまでも住み続けたいと思うまちづくりを推進します。 なお、各種施策の展開にあたっては、持続可能な開発目標(SustainableDevelopment Goals:SDGs)の理念(「誰一人取り残さない」社会の実現)を意識して取り組みます。
国が定めたデジタル田園都市国家構想の実現に向けて、小林市においては、デジタル技術の進展を背景に、地方に住み、働きながら都会に匹敵する情報やサービスを利用できるようになるなど、デジタル技術を効果的に活用して、地域の魅力を高めるために、4つの柱に基づき自主的・主体的な構想の実現を目指します。 ①デジタルの力を活用した地方の社会課題解決 ②デジタル田園都市国家構想を支えるハード・ソフトのデジタル基盤整備 ③デジタル人材の育成・確保 ④誰一人取り残されないための取り組み