道路における電線類地中化による無電柱化とは、道路の上空にある電線類を地中に埋めて道路から電柱をなくすことです。その主な目的及び効果は大きく分けて①景観価値の向上、②防災機能強化、③安全で円滑な交通確保の３点です。 無電柱化の推進は私たちのより安全で豊かな生活に寄与するものですが、国内ではコストが高いことに加え、事業者や地元との調整が困難なこともあり、事業の実施に苦慮する傾向にあります。また、欧米やアジアの主要都市と比較しても著しく整備が遅れているなど、国際山岳リゾートを目指す白馬村にとって課題解決のための今後の取り組みが重要となります。 そんな中、長野県が令和２年度からJR白馬駅前の道路の電柱をなくし、電線を地中に埋める無電柱化工事に着手したことから、白馬村も付帯修景事業として歩道のデザイン舗装や地元自治会が進める街路灯建設に対して補助を行うなど一体的なまちなみ整備を進めています。白馬駅は正面に北アルプスを望む一方、電線や電柱が景観を損ねている現状から駅前の景観を改善することで、訪日外国人客らに人気の白馬の集客力を高めるとともに白馬三山の美しい景観を阻害している電線類をできるだけ早期に地中化することで類い稀な山岳景観の価値向上を目指しています。
①景観価値の向上、②防災機能強化、③安全で円滑な交通確保という効果はもちろんのこと、行政も、地域も、企業も、「みんなで関わって実現する無電柱化まちづくり」という全国的にも類を見ない副産物的効果が期待できます。また、将来的には県道白馬岳線をシンボルロードして位置づけ道路愛称の公募なども検討しております。そういった中に企業のみなさまから頂戴したお力添えを溶け込ませる手法についても前向きに進めて行きたいと思います。
この無電柱化事業は、財源はもとより、「白馬の類い稀な山岳景観を後世に残したい」と思う気持ちをどのように具現化できるかという課題に対して、企業も個人も「寄附」を媒介として公共事業を「協同化」する「新しいまちづくりのカタチ」をどのように実現できるかが私たち白馬村に課せられた使命です。
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