いすみ市は、千葉県南東部に位置し、夷隅川や田園に囲まれた自然豊かな地域です。都会から比較的近距離にありながら、丘陵地や風光明媚な海岸線など素朴な自然が身近にあることが魅力です。 市内には木々の生い茂る豊かな山林がありますが、放置され荒廃している山林も多くあります。最近では「予防伐採」を行っていますが、スギ材は柔らかいため、家具などに活用しにくく利活用されず、伐採したスギの使い道に困っていました。 そこで、スギ材を有効活用するために学校机を製作することにいたしました。製作した学校机は小学校入学時に生徒児童に配布し、6年間使用したのち、卒業時に加工を施し、思い出の品としてプレゼントしたいと考えています。 本プロジェクトは、里山の荒廃を防ぎ、森の再生へと導くだけでなく、使い道がないスギ材を有効活用した学習机に、児童が毎日向き合うことで、児童自らが地域の問題・課題に目を向け、深く考えるきっかけにもつながります。 本プロジェクトはこれから本格運用に向かいます。さらなる充実に向け、全国の企業の皆様のご協力とご寄付を得ることができれば幸いです。
市内には荒廃した里山が多く、2019年、大型の台風15号、19号が千葉県に上陸した際には、台風による強風で弱体化したスギが倒れ、その際に電線が切断され、長期に渡り停電が発生するなどの甚大な被害を受けました。 最近では、台風などの影響を受けて倒木する恐れのあるスギを事前に伐採する「予防伐採」を行っています。そして柔らかく、家具などに活用しにくいスギ材を圧縮することで天板に用いた学習机を製作することにいたしました。 スギ材を活用した学習机の天板1枚あたりの炭素量は約2.98㎏。 この炭素量を二酸化炭素に変換した量は、約10.6㎏。 これは、500mlのペットボトルで約1万本の体積に相当します。スギ材を活用した学習机の天板20枚で約212㎏の大気中二酸化炭素を吸収・固定することになります。 里山の荒廃は、当市だけでなく、ほかの多くの自治体でも抱えている課題です。本プロジェクトが軌道にのれば、ほかの自治体でも展開できる事業だと考えています。 ご寄付いただいた企業の皆様には、当市ウェブサイトや広報誌でのご紹介に加え、学習机を贈呈した小学校に企業名を記したプレートの設置なども検討しています。 こうした取り組みにご賛同いただける企業の皆様、ぜひお力添えいただけますと幸いです。
本プロジェクトは以下をポイントに進めています。 1.自然や地域産業について関心や学びを深める機会の提供 市内の子どもたちは里山や地域の木材にふれる機会が少なく、当市の誇れる資源でありながら関心が低く、地域が抱える課題なども身近に感じずにいます。 廃棄されるはずだったスギ材を活用した学習机を贈呈し、小学校の6年間、毎日使ってもらうことで、自然や地域産業などについて学びを深めることができます。また、市内の家具店などが完成までのプロセス及び地域の実情について講演を行い子どもたちに考えるきっかけを与えることで、里山の荒廃といった課題についても、関心を深めることができます。 2.地域で頑張る各企業の強みを生かした連携 本プロジェクトは、スギを伐採、または放置されたスギを回収、その後、規定規格に即した製材にし、岐阜県にあるスギ材を圧縮する技術をもつ飛騨産業まで運送、圧縮加工し学習机にします。 スギの伐採から学習机として完成するまで、連携する主な地域企業は電設業(伐採)、リサイクル業(杉の回収)、製材業(製材)、運送業(製材の運送)、家具製造業(天板設置取付)となり、各過程のスペシャリストたちが携わり手を取り合って進める地域ぐるみのプロジェクトで、当市の活性化にも結び付くものだと考えています。
2023年2月現在、学習机用に20枚の天板が完成しました。2023年4月に入学する小学生は市内9校で191名いますが、2023年度はそのうちの20人にしか学習机を贈呈できません。 本来、市内のすべての小学校新1年生に学習机を提供したいのですが、増産体制が整っていません。今後、いかに効率よく増産するかを探っていく必要があります。
当市は東京から車で約1時間30分でアクセスできる距離にありながら、手付かずの自然が残された緑豊かな地域です。 宝島社発行『田舎暮らしの本』2023年2月号で、「2023年版 住みたい田舎ベストランキング」が発表され、当市は「首都圏エリア」において「総合部門」「若者世代・単身者部門」「子育て世代部門」「シニア世代部門」全ての部門で第1位、 また「人口3万人以上5万人未満のまち」では「総合部門」「若者世代・単身者部門」「子育て世代部門」で第1位の評価を受けました。「都会から近距離にありながら、里山や海に恵まれた田舎」であることが魅力ですが、市内にある小高い丘程度の山々は、手入れが行き届かず、荒廃が進んでいます。 使い道がなく邪魔者扱いされていたスギを地域企業との連携により有効活用し、未来ある子どもたちに使ってもらう本プロジェクトは、里山の再生だけでなく、地域の維持・発展にもつながります。 スギは温かみがあり、木目が真っ直ぐで美しい製材です。児童には、スギならではの温もりを感じながら、学習に励んでもらいたいと考えています。 ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。