七飯町(ななえちょう)は北海道渡島半島の南部に位置し、北側には駒ヶ岳(剣ヶ峯)を擁して日本新三景の一つでもある大沼国定公園があり、南側は函館市と接している人口約2万8,000人の町です。 道内では最も温暖な気候に恵まれており、西洋式農法による近代農業発祥の地として野菜類、花きの生産が盛んなほか、稲作、果樹、酪農、畜産など、当町の農業は多岐に渡っています。 その特徴を生かし、当町では地元産の農作物や加工品などの食材をふんだんに使った給食「プレミアムななえデー」を月に2回実施しています。これは児童・生徒全員が、給食マニアの教師の甘利田先生が登場するドラマ・映画『おいしい給食』のようなワクワクする給食を楽しみ、笑顔あふれる学校生活を送れるようにするための事業です。 おいしい給食を食べる子どもたちの笑顔こそが、地域の何よりの財産だと考えています。 また、地元産の食材を使った給食を継続していくことは、地産地消の推進や地域経済活性化への貢献、児童・生徒への食育効果や郷土愛を深めることにもつながります。
2017年に始まったプレミアムななえデーは、小学校4校・中学校2校・小中一貫校1校の計7校で実施しています。当町の児童・生徒数および給食費は以下になります。 【当町の児童・生徒数および給食費】 ①小学生 児童数1,349人(2022年12月1日現在)、給食1食単価250円(摂取カロリー650kcal) ②中学生 生徒数698人(2022年12月1日現在)、給食1食単価300円(摂取カロリー800kcal) 月2回のプレミアムななえデーでは多彩な食材を取り入れ、より質の高い給食を目指しており、年間約1,000万円の費用が必要になります。 この費用を寄付金で賄うことができれば、本事業をより確実に継続できるうえに、食育の充実などさらなる取り組みが展開可能となります。 寄付をいただいた企業の皆様との取り組みとしては、例えば食育教室の開催や子ども向け商品のタイアップ、企業のイメージアップへの貢献など、手を挙げてくださった企業に応じて柔軟に対応していきたいと考えています。
お米や野菜、牛乳、お肉など様々な農畜産物が生産され、地元の食材だけでもバランスが良くおいしい給食をつくることができるのは、当町ならではの特徴です。 プレミアムななえデーでは、当日使用した食材について紹介する資料を各学級に配布し、給食指導に役立てています。 こうした給食を通して、子どもたちは地域の自然や食文化・産業についてより身近に、実感をもって理解を深め、郷土への愛着と誇りを育むことができます。
当町の人口は、就職や転勤などと想定される世代の転入超過が大きく、子どもを連れた子育て世代の転入は多くみられます。その一方で、10~29歳の転出超過が多く、自然減の度合も増しているため、全体としては人口減少傾向にあります。 この人口減少を緩やかにしていくためにも、未来をつくる子どもたちが健やかに成長できる環境を整備していくことが不可欠だと考えています。 また、少子高齢化に伴い、農業従事者の減少も懸念されています。農業従事者は高齢者が大半を占めていることから、若い世代の新規就農者の確保・育成に取り組むとともに、農業を続けていくことができるよう支援を行う必要があります。 こうした課題を解決する手段の一つが、プレミアムななえデーです。プレミアムななえデーは給食に地元産の食材を使用することで地産地消を推進し、農業従事者への支援にもつながっています。
「給食のメニューで一番好きなものは、何でしたか?」 こう聞かれただけで、待ち遠しかったあのメニューや友だちと並べた机など、子どものころの様々な思い出がよみがえるのではないでしょうか。 学校生活において、給食の時間は格別に楽しいひと時であり、大人になっても記憶に残っている方が多いように思います。 当町は、温暖な気候、豊かな水と緑に恵まれ、日本における西洋式農法を基盤とした近代農業発祥の歴史をもつ町です。 当町の子どもたちにはそうした特徴を知識として身に付けるだけでなく、プレミアムななえデーを通して実感として心と体に刻み、七飯を愛する心を育んで欲しいと願っています。 そしてなにより、おいしい、うれしい、楽しい給食を通じて子どもたちの笑顔があふれる町になって欲しいと願っています。 この願いに共感してくださる皆様からのご支援をお待ちしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 (七飯町長 杉原 太)