鳥取県の中央に位置し、日本海に面した湯梨浜町は、人口約1万6千人の豊かな自然に恵まれた町です。町の中心には周囲約10kmの東郷湖があり、湖畔には「はわい温泉」と「東郷温泉」の二つの温泉地があります。さらに、日本有数の二十世紀梨の産地としても知られています。 ボールをクラブで打ち、ホールポストに入れるスポーツ「グラウンド・ゴルフ」は、昭和57年(1982)に当町(旧泊村)で誕生しました。ルールが簡単で、高度な技術を必要としないことから、子どもから大人まで誰でも楽しめるスポーツとして国内で広く普及しました。諸外国でも多くの人に親しまれており、アジアやヨーロッパを中心に、グラウンド・ゴルフ協会が設立されている国や地域もあります。 このような状況を踏まえ、湯梨浜町は友情と健康の輪をさらに広げようと、公益社団法人日本グラウンド・ゴルフ協会や鳥取県と連携し、2015年から本格的にグラウンド・ゴルフの国際化を推進しています。具体的にはトップセールスによるルールの海外普及、海外のグラウンド・ゴルフ協会への用具提供・販売、国際大会の開催など幅広い施策を展開しています。
当町では、人口減少・少子高齢化に直面しているほか、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う観光客の減少により、町内温泉旅館を含む地域経済の衰退も懸念されています。 このため、グラウンド・ゴルフの国際的な普及により、世界中の愛好者が多く集まる発祥地を目指し、インバウンドを促進します。少子高齢化については海外諸国でも進んでおり、グラウンド・ゴルフの普及により、世界の人々の健康維持や地域の活性化に寄与することもできます。そして、グラウンド・ゴルフの国際大会が世界各地で行われ、相互にスポーツツーリズムを振興することを目指します。
当町では、グラウンド・ゴルフを通じて友情と健康の輪を世界に広げるため、以下の取り組みを進めています。 1.ルールの普及・指導 海外の政府機関や協会を訪問するなどして、ルールの普及に取り組んでいます。 2.用具の提供・販売 海外の愛好者を増やすために、海外の協会などにクラブやホールポストといった用具を提供したり、販売を支援したりしています。 3.国際大会の開催、海外国際大会への参加 毎年当町で国際大会を開催したり、海外の国際大会に選手を派遣したりするなどして、愛好者の交流を図っています。世界的な生涯スポーツの祭典「ワールドマスターズゲームズ2027関西」のグラウンド・ゴルフ競技は、当町にある「潮風の丘とまり」で開催されることが決まっています。 このほか、2019年に設立された国際組織「国際グラウンド・ゴルフ連盟(IGGF)」との連携や専用コースがある「潮風の丘とまり」の改修などにも取り組んでいます。
グラウンド・ゴルフの国際化において以下の課題があげられます。 1つ目は、海外のグラウンド・ゴルフ協会の「用具不足」です。海外では、グラウンド・ゴルフに必要な日本製の用具を容易に購入することはできません。このことから、日本全国の愛好者から集めたクラブやボールを収集して提供しているほか、用具の海外販売の支援などを進めています。企業の皆様からご支援いただくことにより、世界中のプレーヤーが、日本でつくられた用具で日本生まれのスポーツを楽しみ、心と体の健康を維持することができます。 2つ目は、小さな田舎町である当町が海外との接点をもつのはとても困難です。このため、日本グラウンド・ゴルフ協会や鳥取県と連携して活動してきましたが、海外拠点がある企業の皆様のご協力をいただければ、活動をより活発化させることができます。また「海外支社の社員の福利厚生にグラウンド・ゴルフを取り入れたい」「海外支社の社員が所属している現地日本人会でグラウンド・ゴルフ部の設立を検討している」といったことがございましたら、ご連絡ください。普及のきっかけづくりとして、用具を提供します。 3つ目は、グラウンド・ゴルフを通じたスポーツツーリズムの実現です。国際大会以外でも、世界中の愛好者が聖地「潮風の丘とまり」でプレーし、温泉にゆっくりつかっていただけるような旅行商品の造成を目指しています。企業の皆様と連携し、より良い旅行商品したいと考えています。
海外の国際大会に参加すると、海外の参加者から「日本は発祥国なのになぜ参加者が少ないのか?」「仲間づくり・健康づくりに最適なのに、日本では不人気なのか?」という質問を受けることがあります。 将来、発祥国・日本のプレーヤーが海外の国際大会に多く参加し、同時に日本各地で国際大会が開催され、グラウンド・ゴルフを通じた愛好者の交流がより盛んになることを願っています。グラウンド・ゴルフの魅力は、規格化されたコースがなくても、用具さえあれば、公園や河川敷などで気軽に、初心者でも取り組めることにあります。 当町では、毎日のように、町のどこかでグラウンド・ゴルフをプレーしている人を見かけます。「友人と会って話をしたい」「リフレッシュしたい」という思いから、生活の一部としてグラウンド・ゴルフを楽しんでいる人が多い証かもしれません。 日本生まれのスポーツ「グラウンド・ゴルフ」のさらなる普及に、ご支援いただきますと幸いです。