高血圧ゼロのまちプロジェクト北海道 | 増毛町

北海道 増毛町のプロジェクト概要

北海道北西部に位置する増毛町は、日本海の豊富な海産資源に恵まれ、水産加工業を基幹産業としています。また、日本最北の果物の里としても知られ、サクランボ・ブドウ・ナシといった果物の栽培が盛んです。 当町は、ほかの自治体と同様、人口減少・少子高齢化に直面しており、当町の将来を担う人材不足の受け皿として、元気な高齢者の活躍が求められています。今後は、高齢者の就労機会がますます増加し、役割の高まりから収入も向上すると見込まれています。 そこで、元気な高齢者の活躍を目標に据え、「高血圧対策」に取り組んでいます。 高血圧ゼロに近づけることで、脳・心臓・腎臓に関連する病気を減少させ、健康寿命を延伸することで高齢者の社会参加を支えます。具体的には、健康診断の実施、血圧測定の促進、運動環境の整備、食生活における減塩の習慣化などに取り組んでいます。 こうした取り組みを通じて、高血圧を起因とする病気の発症を防ぐことで、健康寿命を延ばし、高齢者の収入増加・就労促進に結びつけます。 「生涯現役」の高齢者が増えることで、医療費、介護費の適正化につなげ、社会保障の維持を目指します。

なぜ寄付を募るのか

当町の人口は3,908人(令和2年国勢調査)で、2010年から10年間に人口が約1,200人(約23%)減少し、高齢化率は45.2%(2021年1月現在)まで上昇する一方、合計特殊出生率は1.32(2021年厚労省発表)と低水準で推移しており、人口の自然減が続いています。 各種子育て支援事業を実施し出生率向上に努めていますが、子どもが当町の将来を担う人材として活躍し施策の成果が実を結ぶのは長い時間を有するため、まず、いまできることとして、現在、働いている町民のリタイヤ時期を先に延ばし、元気に活躍する高齢者を増やすことを目指しています。 新鮮な魚介類や水産加工品が安く気軽に購入できることが町の魅力ですが、その反面、食塩摂取量が多くなりがちな食事環境にあり、高血圧が引き起こす脳・心臓などの病気によって、医療・介護費が高騰し、町の財政を圧迫していました。 ほかの地域と比べて高血圧、脳・心疾患の発症者が多く、若くして介護が必要になる町民が多いことが課題となっているため、「高血圧者ゼロ」に向けた取り組みを通して、平均寿命の引き下げや介護認定率の低下につなげています。

プロジェクトのポイント

当町では、「高血圧ゼロ」を掲げ、以下3点の施策を進めています。 1.毎年の健診受診、家庭血圧計の普及・測定、運動 企業版ふるさと納税を財源とし、コンパクト型・スマホ対応型・ドーム型の3種の血圧計の購入を助成しています。また、血圧数値が記録可能な血圧記録手帳を配布しています。測定結果を近距離無線通信にてスマホアプリに連携し、結果を保健師にメールで自動送信することで遠隔化し、測定結果の把握・分析から保健指導につなげています。 また、2017年には「オーベルジュましけ」の2階に運動施設「ら・さんて」を開設しました。運動機器を無料利用でき、健康運動指導士からアドバイスを受けられます。 2.減塩の習慣化 当町オリジナルの減塩醤油「増毛醤油 塩分ひかえめ」を開発し各家庭に1本ずつ配布しました。一般的な濃口醤油と比較し約35%減塩したもので減塩レシピの試食会の実施などを通じ、認知拡大と普及に努めています。 3.服薬やデータ分析と身体のメカニズムに基づいた保健指導 旭川医大の助言のもと特定健診で尿ナトリウム・カリウム(尿ナトカリ)検査を実施し、減塩や効果的な野菜の取り方の指導を行っています。

困りごと・課題

当町は人口減少、特に生産年齢人口(15~64歳)の急激な減少に対応するために、住民の病気を防ぎ、65歳以上になっても健康で社会・経済活動へ参加し続けられる町を目指し、高血圧対策を7年前より実施しています。 高血圧対策によって脳、心臓の病気を減少させ、65~74歳の介護認定者割合が改善し、高齢になっても働き続ける町民によって人口減少による働き手不足を緩和することができています。 この実績のある事業を今度も継続していくためには、財源確保が必須であり、企業版ふるさと納税による寄付を募集しています。 また、高齢化率が全国平均よりも高く、高齢化に早くから対応しなければならなかった当町の取り組みは、今後の日本の参考になるものと考え、健康寿命の大切さを謳う企業や報道機関が関心をもつであろうと以前は積極的に情報発信していました。しかし、事業のコンセプトが地味であるためか、実績が出ているにも関わらず企業版ふるさと納税を含め、企業、報道の反応は無い事が課題といえます。

メッセージ

降圧目標未達成者や血圧未測定者ゼロなどを目指す日本高血圧学会「高血圧ゼロのまち」プロジェクトにおいて、2019年、当町はモデルタウン第一号に選ばれています。 前期高齢者(65~74歳)の介護認定率は、2015年度までは、全国・全道平均よりも高い水準にありました(2015年度5.23%)。しかし、2015年度から国保加入者を中心に高血圧対策を実施した結果 、前期高齢者の介護認定率は改善し、2018年度には全国・全道平均を下回り(4.67%)、2020年3月には、3.85%にまで下がりました。 また、国保加入者1人当たりの年間医療費も、2016年に48万5,000円のピークを迎えて以降、2019年には42万4,000円にまで減少し、医療費の抑制につながっています。 今後も、運動促進や食環境の整備に加え、町民ひとりひとりに寄り添う丁寧な保健指導を大切にし、高血圧ゼロのまちプロジェクトを進めて参ります。 こうした当町の施策にご賛同いただける企業の皆様、ぜひご支援をお願いいたします。

目標金額:12,200,000
SDGs目標
sdg-3sdg-8sdg-11