北海道のほぼ中央に位置する芦別市は、道内屈指の市域面積を有し、その9割を森林が占める自然豊かなまちです。豊かな自然環境を生かし「星の降る里・芦別」を都市イメージとして、まちづくりを推進しています。 本市は豊富な森林資源を有効に活用するため、再生可能なエネルギー源となる木質バイオマス(林地残材)に着目し、利活用に取り組んでいます。 木質バイオマス燃料である木質チップの生産・販売は、林業関係者が設立した協同組合が担います。本市では2014年3月に、市有施設である健民センター施設群(芦別温泉、ホテル、B&Gプール[市民温水プール]からなる施設群)に木質チップボイラー2台を導入し、そこから得られる熱エネルギーを通年利用しています。 本プロジェクトは、地域の貴重な資源である豊富な森林から生まれるバイオマスエネルギーのさらなる普及拡大を目指すものです。地域における熱供給システムの構築や、新たな木質バイオマスボイラーの市内各施設への普及と運用を進めることを目標としています。
本プロジェクトを継続するためには、木質チップ燃料の安定的な生産が必要です。 木質チップ燃料には、樹木の伐採や間伐、造材の際に出る枝・葉・伐根などの「林地残材」が原料として使われます。しかし、近年は高性能林業機械の普及により集材方法が変わり、これまで山土場(伐採した樹木の集積場)で発生していた「林地残材」が山中から搬出されず、林内に残ったままであることが多くなっています。このため原料となる林地残材を山中深くに求める必要が生まれ、搬出・収集コストの上昇が大きな問題となっています。 また、全国で木質バイオマスによる発電事業が活発化し、林地残材の確保が難しくなっています。そのため本市では、よりコストの高いパルプ材由来の木質チップを燃料として使わざるを得ず、その割合も高くなっています。 「原料調達コストの増大」「木質チップ燃料の価格高騰」 この2つの問題に対応するため、本市では協同組合に対して、原料調達コストに係る部分を補助金で支援している状況です。 クリーンエネルギーの持続活用・普及拡大のために、ぜひ企業の皆様のご協力をお願いいたします。
本市は「星の降る里」としても知られています。 美しい夜空を眺めるためには、きれいな大気が欠かせません。この先もそれを維持していくためにも、クリーンエネルギーである木質バイオマスを活用した本プロジェクトを推進する必要があると考えています。 豊かな自然をもつ本市には、豊かな山林が広がっており、それは貴重な木質バイオマス(林地残材)を生み出します。山中に放置されている林地残材は、クリーンなエネルギー源である木質チップ燃料に生まれ変わります。 本プロジェクトは、新たな産業と雇用の創出にもつながっています。 林地残材の収集・搬出、燃料化・配達など、地域に仕事を生み出しています。また、これまで石油代として域外に流出していた資金が地域内に留まることで、域内には良好な経済循環が図られます。 カーボン・ニュートラルを目指すための二酸化炭素排出量削減や、地球温暖化防止のため、そして何よりも美しい星空を守るためにも、本プロジェクトはその実現に大きく貢献するものと考えています。
本プロジェクトを継続していくための課題は、以下の2点です。 ・木質チップ燃料の原料である「林地残材」の安定的な確保と燃料化コストの低減 ・木質チップ燃料を利用する施設の拡大 「林地残材」については、市有林、私有林、道有林からの調達が多くなっていますが、今後は本市の森林面積の約9割を占める国有林からの調達を増やしていく必要があります。国をはじめ、各方面からの協力なしには、本プロジェクトの継続は難しい状況が生まれています。燃料化コストの低減については、その分野にノウハウやアイデアをおもちの企業の皆様からのご支援を期待しております。 木質チップ燃料を利用する施設の拡大については、地域における熱供給システムの構築や新たな木質バイオマスボイラーの整備・運用に、多額の初期費用と維持管理経費が必要です。 いずれの課題も、財政状況が厳しい本市にとってはハードルが高いものであり、計画が想定どおりに進まない状況にあります。
本市は、古くから炭鉱の町として栄え、長年にわたって日本の経済成長を支えてきました。 最盛期には7万5,000人余りあった人口も、現在は約1万3,000人に減少しています。かつて人々が集い、賑わいを見せていた炭鉱も閉山しています。 しかし「星の降る里・芦別」には、豊かな自然が残っています。この貴重な自然環境を守り、生かしていくため、クリーンエネルギーである木質バイオマスによる熱利用に懸命に取り組んでいます。 豊かな自然環境を守るために。 地域の産業と雇用を守るために。 地球温暖化防止のために。 SDGs・持続可能社会のために。 そして「星の降る里」の美しい夜空を守るためにも、このプロジェクトを継続し、広げていこうと、日々努力を続けています。 本市が取り組んでいるこのプロジェクトに、興味をもっていただいた企業の皆様、共感をもっていただいた企業の皆様、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。