九州北部、筑後川水系の流域に位置するうきは市は、水に恵まれたまちです。 市内の9割を超える家庭では、地下水をポンプで汲み上げて、塩素処理の必要がない良質の水を利用している「上水道がない市」として知られています。 また、江戸時代に筑後川から引いた全長148kmに及ぶ用水路「大石長野水道」は、今もフルーツなどの農産物をはじめ、小麦粉や製麺、酒などの加工品を生み出す重要なインフラとなっています。 豊かな水の恩恵を受ける当市では、市民とともに水を守る活動を行っています。 2014年に「地下水の保全に関する条例」を制定し、地下水の採取制限を本格的に始めました。併せて地下水の定期的水質調査も実施しています。また、河川護岸工事や数十年ぶりとなる大石長野水道の大改修も進めています。 当市は森林が多いまちでもあります。山から染み出した水が流れ込む川や海にも豊かな恵みをもたらすことから、水源地の森林保全も重要な活動のひとつです。 筑後川の水を利用する皆さんや、治水・水源保全を継続することの大切さを理解される多くの方々のご支援をお願いする次第です。
「大石長野水道」は、筑後川から水を引くために江戸時代につくられた長大な用水路です。福岡出身の医師でアフガニスタンのまちづくりに尽力した中村哲さんは、この大石長野水道と近隣にある山田堰を訪れ、その技術を参考にしたとされます。中村さんは遠いアフガンの地で凶弾に倒れてしまいましたが、彼の意志と水路工事の技術は、現地で確かに受け継がれています。 日本が誇る歴史的遺産であり、小学校の教科書にも採用されている「大石長野水道」は、福岡県内の小学生を中心に、毎年多くの人が社会科見学に訪れる場所になっています。 そこで、現在進めている大石長野水道の工事では、貴重な歴史的遺産を紹介するスペースを整備し、大型バスで見学に訪れる人たちを迎える予定です。ここでは河川の下を流れるサイフォンの原理や工法の解説のほか、大石長野水道の工事を発案し、水神として崇敬されている江戸時代の5人の庄屋を紹介することを考えています。 水の保全活動に加え、当市での水についての歴史を知ってもらうことで、次世代へ美しい水を残すことの大切さを知ってもらえると考えています。
水質管理や治水、水源の保全など、水を守るための活動は多岐にわたります。なかでも護岸整備や用水路の改修は、大規模な土木工事ですが、河川・用水路の清掃やモニタリング調査の一部はボランティアの方々が担っています。 近年は、地球温暖化などによる異常気象の影響もあって、河川の氾濫や山地での土砂崩落といった災害が多く発生しています。平成29年7月の九州北部豪雨による被害の痕は、今も山にも残っています。市では土砂を食い止める植林を企業の皆様の協力を得て進めていますが、水源保全を含めた治山事業は「長期にわたって継続すること」がとても重要です。
うきは市の水は、水に関係する4つの「百選」(名水百選、水源の森百選、疏水百選、日本の棚田百選)に選定されています。市内にはナチュラルミネラルウォーターを製造する企業が複数あり、多くの商品を販売・出荷しています。近年は福岡市内の多くのホテルで、うきは市産のペットボトルが部屋に備えられています。 この美しく、おいしい水を、未来の子どもたちに残したいと考えています。 市内を流れる筑後川は、福岡都市圏にとって重要な水源です。水源地の1つである当市では、市民約3万人が使うだけではなく、筑後川の水を利用する300万人超の人々を守る必要があります。 「地産地消」という言葉がありますが、水は「治山地消」といえるでしょう。しかし、治山工事や森林の管理などには、多額の費用が必要です。
地球環境を守り、次の世代に引き継ぐため、SDGsへの取り組みが重要になっています。 うきは市の水を守ることは、当市だけの問題ではなく、未来へバトンをつなぐ我々世代の課題だと思っていただけると幸いです。 企業の皆様には、寄付のほかにも、植林事業やオーナー制度による棚田を守る活動、用水路で育ったフルーツを収穫する活動に、社員を派遣するという形でのご協力もいただいています。 寄付企業の皆様は、お名前を当市の公式ホームページや広報紙、SNSなどでご紹介いたします。また、市内のミネラルウォーター会社とのコラボレーションによるPR活動などのベネフィットも検討しております。 水を守る、うきはの活動にご支援をお願いいたします!