兵庫県のほぼ中央に位置する西脇市は、東経135度、北緯35度の「日本のへそ」のまちです。かつて地場産業・播州織の興隆により「北播磨の商都」として栄えました。 しかし、今や人口4万人弱、高齢化率33%超の超高齢社会を迎えています。そんななか、コンパクトで持続可能なまちづくりを目指して、循環型農業や公共交通の再編などの施策に取り組み、令和3年(2021)5月には「SDGs未来都市」に選ばれました。 本プロジェクトは、市民の健康寿命の延伸を目指して、次の3つの事業で構成されています。 ・「健幸運動教室 Ni-Co(にこ)」〈科学的根拠に基づいてひとりひとりに最適化した運動教室を実施〉 ・「にしわき健幸ポイント事業」〈日々の歩数や健康関連活動がポイントとして貯まる〉 ・「健幸アンバサダーの養成」〈身近な人に正しい健康情報を広げる〉 これらをワンセットとしてフレイル(加齢による虚弱)予防や生活習慣病予防に取り組み、市民の主体的な健康づくりを支援することで、誰もが健康で幸せに暮らし続けられる「健幸都市・にしわき」の実現を目指します。
少子高齢化の進展により、2040年には当市の人口はさらに約1万人減少し、高齢化率も40.5%に達する見込みです。また、2020~2025年に絞って見ると、後期高齢者が約600人、介護認定者が約100人増える見込みで、これに伴い後期高齢者医療費が約10億円、介護給付費が約1.8億円増えると推計されています。 いわゆる"団塊の世代"が後期高齢者になる2025年を目前に控え、当市では地元医師会をはじめとする関係機関と連携して、市民の健康寿命の延伸に取り組むために本プロジェクトを立ち上げました。 市では本プロジェクトは約3,500人の市民が参加できる規模で展開する必要があると考えています。 そのためにも、本プロジェクトを広く市民に知ってもらうためのPR活動や、施設・設備の充実が欠かせません。 「ふるさとコネクト」をとおして、様々なノウハウをもった、多様な分野の企業の皆様とつながることができれば、本プロジェクトがより豊かに広がってゆくものと考えています。
「健幸運動教室 Ni-Co(にこ)」は、ひとりひとりに効果的な運動プログラムを処方する個別処方型運動教室です。愛称の「Ni-Co」は、西脇(Nishiwaki)の「Ni」に、個別(Cobetsu)運動プログラムやコミュニケーション(Communication)の「Co」を組み合わせた造語で、「いつまでも、ニコニコと笑顔で生活できるように」という願いを込めました。 「にしわき健幸ポイント事業」は、活動量計やアプリを入れたスマートフォンで歩数を計測したり、健康関連イベントに参加したりなどでポイントを貯めることができます。貯まったポイントは地域商品券に交換でき、多くの市民が楽しんで参加しています。 そして、健康に関する正しい情報を身近な人たちに口コミで広げていく「健幸アンバサダーの養成」も、市民の健康への関心度を高めるために重要な事業のひとつです。 いずれも長年にわたる筑波大学の研究成果を反映した科学的根拠に基づく事業であり、南丹市(京都府)、大野市(福井県)、金ケ崎町(岩手県)とともに、PFS(成果連動型民間委託契約)で実施しています。
本プロジェクトの推進は、健康に無関心な層の掘り起こしが鍵になります。 現代の車社会では、「歩く」ことも意識的に行わないとおろそかになりがちです。最近成功したひとつの試みに、新庁舎の外周歩道の整備があります。ゴムチップ舗装が施された道は足にやさしく、夜はライトアップされるので、猛暑に悩まされる夏も安心してウォーキングが楽しめる人気のコースになりました。歩く人が増えれば、まちの風景も変わります。 「そういえば最近歩いている人が多いな」と気付いてもらうこと、そして「健幸アンバサダー」をはじめとする身近な人からの声かけが、健康づくりに関心をもってもらうための小さなきっかけになります。 そこで、参加者に気軽に楽しんでもらえるようなノウハウやインセンティブ商品の提供など、民間企業ならではのアイデアでお力添えいただければ幸いです。
本プロジェクトページをご覧いただき、ありがとうございます。 私たちは、令和3年(2021)年5月に、新たな賑わいを生み出す起爆剤として、健康と文化、そして地域交流機能を有する「新庁舎・市民交流施設オリナス」をオープンさせました。 ここには本プロジェクトの拠点施設だけでなく、医師会や歯科医師会、薬剤師会、そして福祉・介護事業所も併設されており、地域全体で「健幸都市・にしわき」の実現に取り組んでいます。 「Ni-Co」をはじめとするプロジェクトは、長引くコロナ禍により懸念される健康二次被害(運動不足や認知症リスクの上昇など)の防止にも役立っています。 超高齢社会を迎え、「Ni-Co」「健幸ポイント事業」「健幸アンバサダーの養成」を中心としたポピュレーションアプローチは、ひとりひとりがいつまでも健康でニコニコ暮らせるまちを目指すうえで、ますます重要になっていくことでしょう。 小さなまちの挑戦は、今後の日本が目指すべきひとつのモデルになると信じています。 「日本のへそ」のまちから全国へ! ぜひご支援ください。