与謝野町は京都府北部に位置し、日本海に面しています。かつて町内には、住民の100%民間出資による5.7㎞の小さなローカル鉄道「加悦鉄道(かやてつどう)」がありました。この鉄道は、特産品の「丹後ちりめん」を運ぶ重要な役割も担っていましたが、1985年に廃線となってしまいました。 住民の暮らしや町の産業を支えてきた加悦鉄道。そして、ちりめん産業で栄えた当時を伝える「ちりめん街道」の町並み。これらの産業遺産を保存し、地域資源の魅力向上を図り、当町に息づく暮らしやなりわいにふれる機会の創出と当町のファンづくりのため、加悦鉄道で活躍した蒸気機関車と客車2両を譲り受け、保存・展示することにしました。 写真提供:NPO法人加悦鐵道保存会(ハ4995、ハブ3)
与謝野町には、四季折々の姿を見せる大江山連峰と、天橋立を望む阿蘇海、山から海へと連なる野田川、その流域には実り豊かな平野が広がっており、暮らしに根付いた歴史文化、なりわいをつくってきました。これら地域資源を生かした魅力ある観光スポットをつくっていくことは、私たちの大きな課題です。 改めて町内を見ると、丹後ちりめんを運ぶ需要な役割を担っていた旧加悦鉄道の車両や旧駅舎、ちりめん産業で栄えた当時の面影を残すちりめん街道には「旧尾藤家住宅」など歴史的な町並みが今も残っています。 本プロジェクトでは、住民の暮らしやまちの産業を支えてきた旧加悦鉄道の車両を移設し、保存・公開しながら、これらを観光資源としても整備していく計画です。
加悦鉄道の廃線後、「大江山鉱山口駅」跡にあった加悦SL広場には、かつて活躍した車両群が展示保存されていました。住民や鉄道ファンに愛されてきましたが、2020年3月に惜しまれながら閉園。ここに展示されていた2号機関車は、現存するものとしては日本で3番目に古い1873年製造の蒸気機関車であり、国の重要文化財にも指定されています。 この2号機関車を含む3車両を、曳き移設し一般公開施設としている「旧加悦鉄道加悦駅舎」で展示します。 加悦鉄道の歴史・功績を伝える歴史文化施設の魅力アップとともに、1926年に建築された旧加悦鉄道加悦駅舎と明治期に製造され、加悦鉄道で活躍した2号機関車と客車を守り伝えていきます。 このプロジェクトを通じて町の魅力を掘り起こし、町内外へ情報を発信し、当町のファンづくりを推進したいと考えています。 写真1:閉園前の加悦SL広場まつりの様子 写真2:昭和60年頃の加悦駅構内 写真3:旧加悦鉄道加悦駅舎内展示室 ※写真提供:提供NPO法人加悦鐵道保存会(写真2、写真3)
今回、皆様にご支援をお願いしたいプロジェクトの主な予算項目は次の通りです。 ❖旧加悦鉄道車両を保護する覆屋等建築工事(事業費32,148千円) ❖旧加悦鉄道の加悦駅舎の運営事業(事業費1,901千円) 国の重要文化財指定の2号機関車をはじめとする旧加悦鉄道車両を旧加悦鉄道加悦駅舎へ移設し、加悦鉄道の歴史・功績を伝える歴史文化施設の魅力アップとともに、昭和初期を彷彿させる駅舎や車両等を守り伝えていきます。 ❖旧尾藤家住宅の運営事業(事業費5,344千円) 地域の発展に多くの功績を残した名望家の尾藤家の歴史と江戸時代の大型商家建築に、流行の洋館を造築した旧尾藤家住宅を通じて地域の魅力を伝えていきます。 ❖旧加悦町役場の運営事業(事業費1,104千円) 耐震構造を追求した近代建築史上、貴重な建物である旧加悦町役場の歴史を背景として、ちりめん街道に息づく暮らしやなりわいを体感できる施設として旧加悦町役場の運営を行い、訪れる人々の交流が生まれる観光・交流の場づくりを進めます。 行政としては、本プロジェクトを通じて当町の魅力を活かした独自の事業を展開したいと考えています。そして同時に民間が自走するまちづくり観光が進むことを期待しています。 町内外の多様な人々の交流が生まれ、関わりを持ち、町に集う流れをつくることを目指しています。企業の皆様には、当町のこのまちづくりに共感をいただけると幸いです。 写真1:旧加悦鉄道加悦駅舎(資料館) 写真2:旧加悦町役場庁舎(京都府指定有形文化財)内の様子
今回のプロジェクトは、町の先人の産業遺産を観光資源として整備し「集いの場」を創造し、まちへの人の流れをつくるものですが、それを活用・発展させる「人財」の育成や新たな価値を生み出すことも肝要です。 郷土愛あふれる地域人財を育み、魅力ある地域づくり、与謝野町ファンづくりを推進していきたいと考えています。企業の皆様からのご提案に基づき、推進できる新たな公共サービスや取り組みもあると考えます。 今回のプロジェクトをきっかけに、当町における地方創生を推進できるよう、企業の皆様からのご寄付やご提案をお待ちしています。 ご支援、ご検討よろしくお願いいたします。