肝付町は鹿児島県東南部にある大隅半島に位置し、中央部には肝属(きもつき)山系、南東部には約50kmにわたる美しい海岸線が続く、豊かな自然に恵まれています。 内之浦地区には日本初の人工衛星「おおすみ」や小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げたJAXA内之浦宇宙空間観測所があり、本土唯一のロケット発射場もあります。 当町はこの施設とともに発展してきました。近年は宇宙開発が民間にも広く開放され、宇宙産業の裾野が広がっていることから、この分野での雇用創出に期待が高まっています。 当町では、「イプシロンロケット5号機」の打上げや、⿅児島ハイブリッドロケット研究会との共催による「⿅児島ロケット3号機」の打上げに注力しており、「日本一の宇宙科学のまちづくり」を進めています。 「射場のある町」という優位性を最大限に生かし、「ロケット開発の聖地」として当町の魅⼒を広く発信します。さらにロケット開発における歴史的遺産の活⽤や資料等の収集、町の観光拠点として期待される「宙(そら)の家」の整備などにも取り組み、雇用創出と地域活性化につなげます。
JAXA内之浦宇宙空間観測所では、日本初の人工衛星「おおすみ」や小惑星探査機「はやぶさ」、イプシロンロケットなど、これまで大小400機以上のロケットや科学衛星を打ち上げてきました。施設のある内之浦エリアには、ロケット打上げの見学場やイプシロンロケットのモニュメントなど、宇宙を感じさせるスポットも点在しています。 当町では人口減少や少子高齢化が深刻化しています。将来にわたって地域活力を維持していくためには、行政、町民、事業者、関係団体が手を取り合い、力を集結して「宇宙科学」という当町ならではの資源を活用したまちづくりに取り組んでいく必要があると考えます。
本プロジェクトでは、JAXA内之浦宇宙空間観測所で計画されているロケットの打上げに関連した事業に加え、以下の事業にも取り組みたいと考えています。 1.ロケット開発における歴史遺産の活⽤および資料等の収集 当町には、JAXAから譲り受けた大型パラボラアンテナや避難シェルターなど、ロケット開発の歴史を物語る施設が数多くあります。これらを活用し、観光客誘致につなげます。また、JAXA内之浦宇宙空間観測所の歩みが記載された資料や当時の写真等を収集し、未来へ語り継ぐ取組みを進めます。 2.「宇宙兄弟宣⾔(友好都市交流提携)」を結んでいる南種⼦町との交流 2013年7月、国内唯一のロケット発射場をもつ当町と南種子町(みなみたねちょう)が、友好都市提携として「宇宙兄弟」を宣言し、マラソン大会の開催などで相互交流を進め、町おこしにつなげています。今後は小中学生を対象とした交流会などを検討しています。 3.「宙の家」の整備 2019年8月、JAXA内之浦宇宙空間観測所近くに土産ショップ「宙の家」がオープンしました。今後は町の観光拠点となるよう、駐車場や看板、トイレなどの整備を検討しています。
「宇宙・科学のまちづくり」への取組みは、民間団体や町民、企業などが主体となり、協働して進めていくことを目的としています。しかし、そのための人材が不足しており、行政が主導する体制となってしまう傾向があります。 また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ロケットの打上げイベントの開催を断念するなど、町民が参加できる取組みも十分にできていません。
当町は長きにわたり、JAXA内之浦宇宙空間観測所を拠点に、宇宙開発の調査研究を担ってきました。射場は町民の誇りであり、世界規模、宇宙規模で貢献できる可能性を秘めた、当町の重要な資源です。 町民にとっても、当町を訪れた観光客にとっても、宇宙を身近に感じられるまちを、行政、町民、企業、JAXA、大学、民間団体が手を取り合って推進し、宇宙技術を地域活性化につなげたいと考えています。 こうした肝付町の取組みに、ご賛同・ご協力くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。