上天草市は熊本県の西部、有明海と八代海が接する天草エリアに位置し、大小さまざまな島が浮かぶ風光明媚な地域です。九州本土と天草エリアは「天草五橋」と呼ばれる5つの橋で結ばれており、「天草パールライン」は青く澄んだ海に点々と島が浮かび、夕陽に映える光景が見事です。 当市では、この絶景スポットを映画やテレビドラマ、CMなどのロケ地として活用・誘致することで、市の認知度アップを目指しています。具体的には、市民向けの上映会や制作会社への対応強化、映像作新の制作支援を行っている団体「ジャパン・フィルムコミッション」への加入など、多方面から事業を進めています。 今後は映画等のロケ地に選ばれるよう、市民や関係団体と協力して受入体制を整え、さらに映像制作を通して地域の人たちと交流する機会を創出したいと考えています。 そしてテレビや映画、雑誌等で当市が取り上げられることで、市民には自分たちの住むまちに誇りを持ってもらい、まちの魅力を再発見し、郷土愛の育成につなげます。
当市の人口は、1950(昭和25)年をピークに減少傾向が続いています。その要因の一つに、転出数が転入数を上回る社会減が挙げられます。なかでも進学や就職をきっかけに転出する15~24歳の若い世代が増えています。 人口減少や高齢化が進む中、市民が安心して暮らし続けられるようにするには、まちの魅力をさらに高めていく施策が求められています。 そこで当市の豊富な地域資源を活用した観光振興策を行い、交流人口や関係人口の創出と拡大に向けた事業として、本プロジェクトを推進します。
2021年度は、以下の3点を中心に事業を進めています。 1.市民向けの上映会の開催 市民に映画や映像作品を身近に感じてもらうことを目的に、2020年1月に「上天草ムービーフェスティバル」を開催しました。当事業で制作したショートフィルムや、民間の制作会社が当市で撮影した作品など5本を上映しました。開催にあたっては、上天草高校の生徒からなる「プロジェクトチーム」が参加しました。今年度も2021年11月の開催を目指して準備を進めており、市を挙げた取組みとして継続していきたいと考えています。 2.上天草高校の生徒を対象にしたワークショップの開催 2021年12月、上天草高校の生徒を対象に映画監督がロケ地の選び方や映像制作の方法などを伝えるワークショップを開催します。生徒たちに当市の魅力を再発見してもらい、自分の住むまちを「好きになる」ことで、上天草市の魅力の発信につなげたいと考えています。 3.制作会社からの問合せ、制作会社・テレビ局等へのアプローチ・情報発信の強化 映像制作会社からの問合せやロケハン同行に柔軟に対応できるよう、撮影支援に関して、ワンストップのサービスの構築を検討しています。また、制作会社やメディア関係会社、熊本・福岡県内のテレビ局などへのPRや情報提供も積極的に行います。
本プロジェクトは、高校生と連携して映画祭を開催するなど、市民が「映画のまち・上天草市」をつくることが目的です。 2020年に開催した「上天草ムービーフェスティバル」で上映された『島のシーグラス』は、有明海に浮かぶ湯島が舞台です。この作品は、2019(令和元)年に東京で開催された国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2019」で「ひかりTVアワード」を受賞しました。当市の地道な取組みが、少しずつ実を結んでいます。 上天草高校では、総合的な学習の時間を活用し、映画館のない上天草市内において、子どもたちが映画に触れ、興味を持ってもらえるような映画祭を企画しています。自ら脚本・撮影・編集をした動画を文化祭で発表するなど、映像制作に興味を持つ生徒もいます。 当市では、未来を担う子どもたちに、映画を通じてまちの魅力を発信していきたいと考えています。映画・映像制作関連の企業様はもちろん、当市の想いや取組みに寄り添っていただける企業の皆様にも、お力添えをいただけますと幸いです。企業様には感謝状の贈呈、広報誌への掲載などを検討しています。