高齢者に野菜の収穫や花の栽培などを楽しんでもらいたい。 泉佐野市では、高齢者の心身の健康維持と相互交流を目的に、次のような施策に取り組んでいます。 1.近年増加している耕作放棄地を活用して市内3カ所に福祉農園農場を設置し、60歳以上の市民に無償で貸与する事業 2.ひとり暮らしをしている65歳以上の高齢者の相互交流を図るため、市を3地区に分けて参加・交流の場をつくり、交流会などを実施
高齢化が進んでいる当市では、地域コミュニティのあり方も変化しており、それに合わせた環境づくりが急務となっています。 この施策を着実に推進するためには、財源確保が課題の一つです。当市の取組みを通して地方の現状を多くの人に知っていただき、企業と連携して解決の道づくりができたらと考えています。
本プロジェクトの実施には、高齢者の健康状態に応じた農業活動を提供することが大切と考えています。農業を生業とするのではなく、その手前の段階を「ゆるやか農業」「農的活動」と定義し、市民に提案しています。 JA共済総合研究所の資料では、高齢者の福祉と農業が合体した施策を「農福連携」と称し、以下の4つの区分で紹介しています。 1.リタイアした・する農業者を対象とした「リタイヤ農業者型農業」 2.定年退職等を機に、農業に関心を寄せている高齢者を対象とした「定年退職者型農業」 3.介護予防の一環として、比較的元気な高齢者を対象とした「介護予防型農的活動」 4.介護サービス等を利用する高齢者を対象に、レクリエーションやリハビリテーションなどを目的とした「介護サービス型農的活動」 本市では3に着目し、介護が必要となる前の支援策として実践しています。
我が国は先進国の中でも急速に高齢化が進んでおり、特に中山間地域では少子高齢化や過疎化によって、高齢者の暮らしや地域コミュニティの維持が困難な状況に陥っています。そこで高齢者が自分らしく人生を楽しむための地域包括ケアシステムの構築や、地域コミュニティの維持と活性化が求められています。 これまで高齢者は、介護保険や医療サービス等を受ける対象と位置づけられてきましたが、今後はこうしたサービスを受けながら、何らかの役割を担い、家庭や地域に貢献することが期待されます。 当市の基幹産業である農業は、従事者の高齢化や後継者不足による農業人口の減少に加え、耕作放棄農地の増加も課題にもなっていました。
「健康には農作業が良い」という話を聞いたことはあるでしょうか。自然の中で体を動かし、収穫の喜びを味わうことは、心身に良い効果があるとされます。 ある研究によると、75歳以上の農業者従事者の年間医療費は平均73万円となっており、農業者従事者以外の平均値である91万円と比較すると、大きな差が出ているそうです。 当市では、上記の取組みのほかにも「泉佐野元気塾」「健康寿命ウォーキング」など、予防介護事業の充実を図っており、高齢者が健康で生きがいを感じながら、安心して暮らせるまちづくりに努めています。 地方都市が抱える課題は、日本全体の課題です。当市は地方で課題を解決することが、日本の課題解決につながっていくと信じています。 地域単位でできことは限られていますが、まずはできることを実践する、当市はそんな取組みを積極的に推進します。 企業の皆様には、現地視察や交流会の実施、自社製品のテストマーケティング等で、この施策を活用していただくことも可能です。当市の取組みにご賛同いただき、ご支援をお願いいたします。