九度山町は高野山の玄関口にある山あいの町で、古い町家が並ぶ趣ある風景が広がっています。 平安時代に弘法大師が高野山を開創して以来、参詣道として大変栄えました。戦国武将・真田幸村ゆかりの高野山真言宗寺院「真田庵」をはじめ、世界遺産に登録されている「金剛峯寺」の根本大塔へと通じる「高野山町石道(ちょういしみち)」、弘法大師の御母公を祀る寺院「慈尊院」、名勝地「玉川峡」など、多くの観光スポットがあります。 また、温暖な気候を生かした果樹栽培が盛んで、特に柿は全国有数の産地として知られています。ブランド柿「九度山の富有柿」は甘くて色づきが良く、高品質であることから、市場でも高い評価を受けています。 このように豊富な地域資源があるにも関わらず、人口減少が著しく、町の存続は危機的な状況に直面しています。 本プロジェクトでは、都市部へのアクセスも良好という立地を生かし、産業の活性化や生活環境の魅力を高めます。そして産業振興、雇用創出、移住促進、子育て支援、安全安心な暮らしの確保等に取り組み、「働きたい、住み続けたい、移住したいまち」を目指すとともに、町の魅力を広くPRし、地方創生を推進します。
本町の総人口は、1985(昭和60)年の7,395人から、2021(令和3)年には4,028人(4月30日現在)と減少傾向が続いています。2018(平成30)年の国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2060(令和42)年には約800人に減少すると見込まれています。 人口動態では、1995(平成7)年頃から、総人口に占める老年人口(65歳以上)の割合が2割を超える「超高齢社会」となる一方で、年少人口(0~14歳)は2010(平成22)年に総人口に占める割合が1割を切り、減少傾向が続いています。これは若年層の転出が多いことや出生数の減少、未婚率が上昇傾向にあることが大きな要因となっています。 人口減少が地域経済や生活環境に及ぼす影響は大きく、将来の就労・結婚・子育てに不安を抱く若い世代の流出や、農業従事者の高齢化などが、さらなる人口減につながっています。 この状況に歯止めをかけ、好循環を確立していくためには、町が一丸となってさまざまな対策に取り組み、町の魅力を高めていく必要があります。
本町では以下4つの事業を軸に、まちづくりを進めています。 1.安定した雇用を創出する 主要産業である農業に関して、新規就農者の育成・支援などを通じて、生産性向上とさらなる発展を目指します。また観光産業の振興による雇用創出や起業・創業への支援を充実させ、新しい産業の創出も目標とします。 2.町に新しい人の流れをつくる 町内の産業や生活環境の魅力を高め、「働きたい、住み続けたい、移住したいまち」を目指します。2021年度からは、町内の空き家バンクに登録されている物件を購入し、移住した人に20~50万円の補助金を交付しています。 3.若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる 将来町を支えていく若者たちの結婚・出産・子育ての希望がかなう環境づくりに取り組み、支援策の拡充を目指します。また、教育・スポーツの振興にも取り組みます。 4.地域をつなぎ、時代にあった安全安心な暮らしを実現 町民が安全安心に暮らせるまちづくりを進めるとともに、保健・福祉の充実を目指します。
本町は、深刻な人口減少に直面しています。先人より受け継いできた歴史や文化、そして豊かな自然を後世につなげていけるよう、住民とともに一丸となって取り組んで参ります。ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
特産の柿を中心とした農業が主要産業である本町は、コンパクトながら多くの歴史・文化遺産に恵まれています。 約15年前からは観光分野に注力し、2014年4月に「道の駅くどやま」、2016年3月には「九度山・真田ミュージアム」を開館しました。年間13万程度だった入込数は、2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』を好機に100万人に達し、その後も約80万人をキープしています。 アートによる町おこしにも力を入れており、2016年には「町が丸ごと美術館に」をコンセプトに掲げたアートイベント「くどやま芸術祭」を初めて開催しました。同イベントは4年に一度の開催で、2021年10月に第二回を開催予定です。また「くどやまアートウィーク」を毎年開催しており、交流人口の維持・増加を目指しています。 ほかにも富有柿を使ったジャムやソフトクリームなど特産品の開発や、道の駅の整備など、観光客の受入体制を整えてきました。 企業の皆様には、多くの観光客が訪れるようになった当町の賑わいを維持し、魅力をさらに高めていくためにお力添えいただけますとうれしく思います。あたたかいご支援・ご協力をお待ちしております。