ロケットの打ち上げに適した地形や気候に恵まれた大樹町では、約40年前から「宇宙のまちづくり」に取り組んでいます。 1,300m滑走路やロケット射場を有する民間にひらかれた商業宇宙港「北海道スペースポート」では、民間企業や大学の研究機関による打ち上げ実験や無人航空機の飛行試験など、年間約40件の実験が行われ、観光・視察を含め10,000人以上の方が当町を訪れています。2017年には、町内にある宇宙開発企業インターステラテクノロジズ株式会社が、観測ロケット「MOMO初号機」の打ち上げに成功しました。 当プロジェクトでは、この「北海道スペースポート」に、新たなロケット射場の整備や滑走路の延伸を行います。そして人工衛星軌道投入用ロケットや試験用スペースプレーン(宇宙往還機)の離発着を可能にし、実験場としての機能を強化して利用者の増加につなげます。 同施設の整備・拡張に合わせ、当町を拠点に活動する事業者に支援を行い、航空宇宙関連企業が集積する「宇宙版シリコンバレー」の形成を目指します。
当プロジェクトの延長線上には、観光事業や教育分野との連携により、航空宇宙産業分野を超えて多方面に好循環をもたらし、若年層も活躍できる多様な雇用を生み出すことが期待されます。 地域の「しごと」と「ひと」の結びつきを強化することで、「まち」全体の活性化を図ります。
当プロジェクトは、主に以下の2つの軸に沿って進めています。 1.航空公園機能の拡充 1,000mの滑走路を有する大樹町多目的航空公園に、ロケット射場やスペースプレーン(宇宙往還機)の離着陸が可能な滑走路、格納庫などを建設します。また、航空宇宙に関連する実験やビジネス展開に必要な機能を拡充するための調査・設計・工事等を行います。 2.航空宇宙関連ビジネス推進 大樹町が航空宇宙関連産業の中心地となることを目指し、当町を拠点に航空宇宙ビジネスにチャレンジする事業者を支援します。さらに観光事業や関連産業への波及効果の創出、航空宇宙事業の普及に関する啓発などにも取り組み、航空宇宙関連の実験やビジネスを推進します。 当プロジェクトを通じて、航空宇宙産業による経済効果が当町から北海道全体に波及することを期待しています。さらに観光や教育といった他業種と連携することで新たなビジネスチャンスを生み出し、多方面へ好循環をもたらすことを可能にします。
「北海道スペースポート」の整備にあたり、航空宇宙関連企業には北海道に拠点を置いてもらい、事業で連携することで、宇宙産業の最前線となる「宇宙版シリコンバレー」の形成を進めていきたいと考えています。そこで当プロジェクトにご賛同いただける企業を募集しています。
大樹町では、JAXA(宇宙航空研究開発機構)や民間企業、大学等がさまざまな研究・実験を行ってきました。このたび「北海道スペースポート」の整備と町内の関連産業支援による「宇宙版シリコンバレー」形成を目指すことで、当町はもちろん、北海道、そして日本に航空宇宙産業による経済効果を期待しています。 最近、当町の子どもたちは「将来は大樹町で宇宙関連の仕事に就きたい」と夢を描くようになりました。若者層の流出や人口減が懸念される中、当プロジェクトは長期的な観点からも地元の活性化につながると考えています。 また、「ロケットラングドシャ」や「ロケット応援大根」など、地元の企業や農家も宇宙関連商品の企画・販売に挑戦しており、「宇宙版シリコンバレー」のまちづくりに向けて町全体に気運が高まっています。 多くの企業の皆様からのご支援を、お待ちしています。
2020年度は「北海道スペースポート」の利用が増加傾向にあったことから、各種航空宇宙実験で需要の高い格納庫を1棟新築し、利便性の向上を図りました。 2021年4月21日には、当町や道内企業の出資による新会社「SPACE COTAN(スペースコタン)」を設立しました。同社は「北海道スペースポート」整備に向けたさまざまな取組みを行うほか、発射場や実験場の指定管理者として同施設の管理・運営を担い、インターステラテクノロジズ社をはじめとする利用者のサポートも行います。 2022年9月には、人工衛星用ロケット発射場「Launch Complex-1(LC-1)」と、滑走路延伸に着工しました。2024年7月現在、滑走路の工事は完了しており、従来の1,000mから300m延伸し、全長1,300mとなりました。「Launch Complex-1(LC-1)」は、2025年度完成に向けて工事が進められています。 観光・教育面では、当町でしか体験できないスペースポートの見学などのコンテンツを開発し、修学旅行生などを積極的な受け入れを行っています。