2021年9月4日~10月24日に「奥能登国際芸術祭2020+」を開催します。珠洲市の豊かな里山里海を舞台に、国内外のアーティストが、地域の歴史や魅力、豊かさを表現した珠洲ならではの作品を展開します。 展示作品を道しるべに里山里海(市内)を巡り、心癒される風景や長年育まれてきた文化や暮らしにふれ、その魅力を感じていただくことで、移住・定住につなげます。 初開催となった「奥能登国際芸術祭2017」では、目標の30,000人を大きく上回る71,000人が来場し、地域活性化につながりました。第2回となる2021年では、前回時に課題だった交通アクセスや宿泊施設の強化を図ります。 また、今回の目玉として市民総参加型プロジェクト「珠洲の大蔵ざらえ」を企画。これは各家庭に代々受け継がれてきた農具や民具など約1500点を思い出とともに収集し、作家が作品として表現するもので、当市の魅力再発見につなげます。 (メイン画像:右上/トビアス・レーベルガー『Something Else is Possible/ なにか他にできる』:旧蛸島駅周辺、左上/ひびのこづえ『スズズカ』:旧飯塚保育所) <抱える課題・原因> 本市における最大の課題は、人口減少と少子高齢化です。 2015年に14,625人だった人口は、2030年に9,865人、2040年には7,218人と、25 年間で半減すると予測されています。また、2030年の高齢化率は53%となり、少子高齢化がさらに深刻化します。 このままではインフラ維持や集落の保全が困難な状況となり、小中学校や高校の維持・存続、若者の流出、高齢者を支える現役世代がいなくなるといった問題に直面し、地域の存続が危ぶまれています。 また、本市及び本市周辺には大学や専門学校などの高等教育機関がなく、高校卒業後は進学のため市外へ転居する必要があることから若者が都市部への流出し、大学卒業後も本市へ戻らないケースが大半を占めています。 そこで当プロジェクトを関係人口の増加につなげ、移住・定住促進に取り組む必要があると考えています。 <取り組みの方針・解決策> 2017年に初めて「奥能登国際芸術祭」を開催したところ、71,000人を超える来場者があり、その8割以上が市外からの来訪でした。市民を含むすべての鑑賞者のうち、97%が「楽しかった」と回答し、新聞、テレビ、雑誌等に約 200 件掲載されるなど、多くのメディアに取り上げられました。これにより珠洲市の認知度が向上し、まちの魅力再発見へとつながりました。 また、芸術祭の運営を支えるサポーター活動へも市外から約800人の参加があり、鑑賞者、サポーター、市民相互の交流から、新たな人と人のつながりが生まれました。 こうした成果を踏まえ、第2回となる2021年の開催時には、目標来場者数を80,000人に据え、前回開催時に課題となっていた交通アクセスの不便さや宿泊場所の不足といった問題を解決すべく、バス会社と連携して直行便を運行するといった取組みも進めています。 <困りごと・寄附企業に求めること> 「奥能登国際芸術祭」では、地域の歴史や魅力、豊かさをアート作品で表現するために、世界各国のアーティストを招き、滞在しながら、住民とともに作品制作に取り組んでいただきます。そのため膨大な事業費が必要となります。 また、51日間にわたる会期中は、運営スタッフの確保も必要です。さらに海外からのアーティストが当市に滞在しながら創作活動を行うため、地域の人とコミュニケーションをとる際には「言葉の壁」も考慮しなくてはなりません。 本プロジェクトにご賛同いただき、翻訳・通訳業や交通・観光関連業界の企業の皆様をはじめ、さまざまな面からサポートいただける企業を募集しています。 <メッセージ> まちの再起をかけた「奥能登国際芸術祭2017」は、4年の準備期間を経て開催されました。日本及び世界各地から招いたアーティストたちは、能登半島の最先端=「さいはて」ゆえに手つかずだった「忘れられた日本」とも言うべき原風景と向き合い、地元の人との交流を通じて作品をつくり上げました。「奥能登国際芸術祭2017」開催後、そのまま移住したり、ゲストハウスをオープンさせたサポーターや関係者もおり、移住・定住につながっています。 また、来場者やアーティストとの交流やテレビ・雑誌等での評価が、「地域の魅力の再認識」につながりました。地元の人にとっては「当たり前すぎて気が付かなかった」当市の魅力を再認識した貴重な経験になりました。 今後は芸術祭を通して、地域の子どもたちの「郷土愛」を醸成し、将来は本市へ戻ってくる若者を増やしていきたいと考えております。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。