<抱える課題や背景> 京都市の犯罪件数は減少していますが、再犯者の割合は約5割と高い状態が続いています。また、京都府内の刑事施設を出所した人のうち、約4割の人が出所時に適切な帰住先を確保できずに出所しており、就労に関しても再犯者のうち約6割の人が無職の状態です。 再犯防止にあたっては、犯罪等をした人自身の強い更生意欲が前提となりますが、住居や安定した仕事がない、薬物依存がある等、立ち直りに多くの困難を抱える人が少なくありません。さらに、犯罪等をした人は社会で孤立しやすい現実があります。 新たな犯罪被害者を出さないためにも、罪を償い、社会の一員として再出発しようとする人を認め、支えることができる社会に向けた取組が必要です。 <取組の方針・解決策> 「やり直すことができる社会と安心・安全なまちの実現」に向け、以下の6つを柱に、施策を実施します。 ①住居・就労の確保等による社会の居場所づくり ②ネットワークの充実による保健医療・福祉サービスの利用の促進 ③非行の未然防止、犯罪等をした少年への継続した学びの支援 ④犯罪等をした人の年齢や特性に応じた効果的な支援の実施 ⑤民間協力者の活動との更なる連携、広報・啓発活動の推進による地域社会への理解促進 ⑥「再犯防止×京都の文化力」の視点による取組の推進 また、これらに紐づいた52の具体的な施策、例えば、ハンドブック「つなぐ つながる」を活用した相談・支援機関につながりやすい環境整備や、民間団体への支援を通じた生きづらさを抱える若年者の居場所づくりの推進などを実施します。 (居場所づくりの実績):秋の夜長を楽しむ空間づくり 京提灯を使った空間インテリアの企画・制作~展示を体験しよう!(京都の伝統産業をモチーフにした少女主体の参加型アントレプレナー塾) <寄付企業に求めること> 再犯防止の推進は、新たな犯罪被害者を生み出さない取組であるとともに、罪を償い社会の一員として再出発をしようとする人を社会全体が認め、支えることで、社会復帰を促進する取組でもあり、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」社会の実現に資するものです。京都市が取り組む「やり直すことができる社会と安心・安全なまちの実現」に賛同・連携・協力いただける企業を募集しています。 <京都市からのメッセージ> 犯罪の背景にある人々の様々な悩みや生きづらさ。その一つ一つに誠実に向き合い、保健医療・福祉など、本市の様々な施策にしっかりとつなげることで、「もう二度と犯罪はしない」という思いを支えてまいります。そして、犯罪被害者等の方々への御支援と同時に、再犯防止の取組を進めることにより、「誰一人取り残さない」社会の実現につなげていく決意です。皆様の御支援をお願い申し上げます。