徳島県立海部高校は、海陽町のある海部郡で唯一の高校ですが、少子高齢化が急速に進んだことにより、生徒数の確保が難しくなっています。町内には中学校が2校ありますが、町内出身の生徒だけで高校の定員を満たすことができず、郡外や県外から広く生徒を受け入れる必要があります。 生徒や保護者に数ある高等学校の中から海部高校を選んでもらうためには、学校の魅力を高める取組みが必要です。本プロジェクトでは、ICT(情報通信技術)を活用した学習や文化教養を高める活動、部活動の支援、入学に関する助成などにより、特色ある教育や学校の活性化を図ります。魅力を高めることで生徒数を確保し、学校を存続させることで町に新たな活力を生み出せるとの思いから、町全体で海部高校を支援しています。
海部高校は海部郡内の3校を統合して誕生しました。しかし当地域では人口減少と少子化が急速に進み、地域外の高校へ進学する学生も多いことから、同校の存続が危ぶまれています。 2017年度を例に挙げると、入学定員115名に対し、町内に2つある中学校の卒業生は100名以下であるため、地元出身者だけで定員を確保することが難しく、広く県外から生徒を集めることが必要です。県立高校ですが、町としては郡内唯一の高校の存続を願っており、そのためには生徒や保護者に選ばれる魅力ある高校となるよう支援していきたいと考えています。 こうしたことから、町では過去数年にわたり100~300万円の補助金を同校へ送っており、2017年度からは約1,000万円の予算を計上し、魅力ある学校となるためのさまざまな事業に取り組んでいます。
特色ある教育や学校活動の活性化を図ることで、より多くの生徒や保護者の関心を高め、「選ばれる高校」を目指します。また、地域内だけでは生徒数を確保できないため、県外からの入学者を獲得できるよう受入体制の整備にも取り組みます。具体的には、学力向上に関する事業として駿台予備学校の映像講座「駿台サテネット21」の活用をはじめ、スマートフォンやタブレットでの学習、オンライン英会話の導入を進めます。さらに文化教養を高める事業としてオーストラリアへの短期留学の実施、文化スポーツ振興に関する事業として全国大会に出場する部活動に奨励金を出し、優秀な成績を収めた生徒を特待生として迎えるといった取組みを続けています。郡外や県外出身の生徒には「おばちゃんのウチごはん」と名付けた食事サポートや、地元ボランティアによる一時的な生徒支援「まち親制度」などを実施しています。
海部高校支援の取組みについては、関係部局と調整しながら費用対効果を吟味し、内容の見直しを随時行っています。2020年度は新型コロナウィルス感染拡大の影響により、オーストラリア短期留学の実施が延期され、高校総体が中止になったことから全国大会出場校への奨励金も出していません。高校総体の中止は特待生候補の選考にも影響しています。 高校教育と本事業が直接結びつかないかもしれませんが、海部高校を維持存続させるという観点から、教育や人材育成に興味や関心をお持ちの企業の皆様にご支援いただければと思います。また、同校には優秀な成績を収めている部活動もありますので、スポーツに関心のある企業の皆様にも積極的に関わっていただきたいです。寄附企業の情報は、町の広報誌やホームページなどで随時発表していく予定です。
海部高校は海部郡で唯一の高校となっています。少子化が進む状況において、高校の存続は地域全体の悲願であり、町の活性化にも不可欠であると考えています。厳しい状況下ではありますが、「郡外や県外からも多くの生徒を集め、高校を存続させたい」という思いを胸に、地域が一丸となって取り組んでおり、地元に新たな活力を創出できる事業であると考えています。企業の皆様にはご支援、ご協力を賜りたく、よろしくお願いいたします。
2017年度から1,000万円規模の補助を行い、高校の魅力向上のために様々な施策で取り組んできました。町では費用対効果を分析し、効果の高かった事業については予算を上積みし、逆の場合は予算減額や事業の見直しを検討しています。事業の実施状況は毎年少しずつ変わりますが、2020年度は新型コロナウィルス感染拡大の影響から、いくつかの事業が実施できていません。2021年度以降の事業については、各所と調整のうえ決定する予定です。