宮崎県の北部に位置する日之影町は、約91%を森林が占める、豊かな自然環境と山村文化をもつ人口約3,200人のまちです。町の東西を貫流する五ヶ瀬川や支流の日之影川などの清流は、鮎やヤマメなどの絶好のフィッシングエリアとなっており、自然石を利用したボルダリングエリアとしても全国的に有名です。 本町の65歳以上の人口は、全人口の48%以上を占めており、高齢者の一人暮らし・夫婦世帯、認知症高齢者の人口割合が増加傾向にあることに加え、高齢者のニーズの多様化、人材不足等による支援体制の脆弱さなどにより、行政や既存の事業者だけでは対応できない状況にあります。そういった多様な福祉ニーズへ効果的に対応できるよう、交通弱者に対する支援の実施に取り組んでいます。 本町では122の停留所を設けてコミュニティバスである「すまいるバス」を運行していますが、家々が広範囲に点在する地理的特性もあり、「バス停から自宅までが遠いため利用が減った」「便数が少ない」といった住民からの意見があがりました。そこで、より利便性が高く効率性の高い公共交通サービスの構築を目指すため、まち中心部から離れた集落の住民を対象に「予約型乗り合いタクシー」の試験運行を行っています。 予約型乗り合いタクシーの乗降は利用者の自宅から、中心部にある役場や病院、郵便局などの8ヶ所に限定して運行しており、複数の利用者の目的地や希望時間に応じて、運行ルートを柔軟に決めています。令和6年度中に本格的な運行を目指すとともに、試験運行で課題を洗い出し、よりよいサービス提供ができるよう需要に応じた見直しも柔軟に対応していく予定です。 予約型乗り合いタクシーやコミュニティバスである「すまいるバス」は、町民にとっては暮らしに欠かせない移動手段となっています。利用者のさらなる利便性向上及び安心・安全な運行を目指して取り組んでいます。 本プロジェクトにご賛同いただける企業の皆様、貴社の力をぜひ本町へお貸しください。どうぞよろしくお願いいたします。