【認定ファンドレイザー®が語る】なぜ企業は寄付をするのか 社会貢献活動の位置づけを考える
2021-11-08 08:00:00
寄付と聞くと「自治体、NPO、学校などの活動のために金銭を提供すること」とイメージされる方が多いのではないでしょうか。先行きが不透明なこの時代に、なぜ企業が寄付をするのか。それは寄付が未来への投資であり組織力強化をもたらすものと捉えられているからです。企業における寄付がもたらす効果についてお伝えします。
企業の社会的責任の一環
企業の社会的責任とは、企業は自社の利益の追求をするだけではなく、広くステークホルダー(利害関係者)に対しても責任を負うべきであるという考え方です。株主はもちろんのこと、顧客や従業員、取引先、地域社会で暮らしている人など、企業の社会的責任の範疇は広く、様々です。
2000年代以降、企業の社会的責任について広く議論されるようになり、企業の中には独立したCSR(Corporate Social Responsibility)部を置き、CSRレポートを公開しているところもあります。
自治体への企業版ふるさと納税や地元のNPOへの寄付を行うことにより、支社や工場のある地域が抱える課題解決へ協力することも地域への社会的責任を果たす一環となります。そのため、社会課題の解決や地域の発展への貢献のための「未来への投資」として寄付を行う企業が見られます。
2000年代以降、企業の社会的責任について広く議論されるようになり、企業の中には独立したCSR(Corporate Social Responsibility)部を置き、CSRレポートを公開しているところもあります。
自治体への企業版ふるさと納税や地元のNPOへの寄付を行うことにより、支社や工場のある地域が抱える課題解決へ協力することも地域への社会的責任を果たす一環となります。そのため、社会課題の解決や地域の発展への貢献のための「未来への投資」として寄付を行う企業が見られます。
企業の経営理念やビジョンの実現のため
経営理念やビジョン(つくりたい未来)を掲げ、ウェブサイトなどで公開している企業も増えています。経営理念やビジョンを言語化し示すことは、社外での信頼度の醸成だけではなく、社内の従業員にとっても企業が目指す方向を理解することで組織力の向上につながるといわれています。
企業活動を通じて実現したい未来像を築いていくためには、自社だけで取り組むのではなく、ステークホルダーと連携することで動きを加速させることができます。企業の専門性を活かせる分野で活動する自治体やNPOに対し寄付をすることはもちろん、ノウハウやアドバイスの提供や、従業員の社会貢献活動への参画を促進するなど、様々な方法で関わることが可能となるでしょう。
このように、企業の理念やビジョンの実現のための「経営戦略の一環」として寄付が行われています。
企業活動を通じて実現したい未来像を築いていくためには、自社だけで取り組むのではなく、ステークホルダーと連携することで動きを加速させることができます。企業の専門性を活かせる分野で活動する自治体やNPOに対し寄付をすることはもちろん、ノウハウやアドバイスの提供や、従業員の社会貢献活動への参画を促進するなど、様々な方法で関わることが可能となるでしょう。
このように、企業の理念やビジョンの実現のための「経営戦略の一環」として寄付が行われています。
持続可能な開発目標(SDGs)達成への参画
2015年9月25日の国連総会で「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、2030年までに17のゴール、169のターゲット、200以上の指標からなる持続可能な開発のための国際的な開発目標が掲げられました。
また近年は、株主や投資家が、ESG(環境、社会、ガバナンス)の要素を投資判断に組み入れ、短期的なリターンではなく、長期的なリターンに重点を置く中長期の投資資金へ関心を高めています。SDGsとESGは別物ではありますが、「SDGs」という国際的な目標を達成する手段が「ESG」として位置づけられています。環境、社会へ目を向けることは、大企業だけではなく中小企業にとっても大切な視点となっています。
そのため、SDGs達成への取り組みの位置づけとして寄付を行うケースが見られます。
また近年は、株主や投資家が、ESG(環境、社会、ガバナンス)の要素を投資判断に組み入れ、短期的なリターンではなく、長期的なリターンに重点を置く中長期の投資資金へ関心を高めています。SDGsとESGは別物ではありますが、「SDGs」という国際的な目標を達成する手段が「ESG」として位置づけられています。環境、社会へ目を向けることは、大企業だけではなく中小企業にとっても大切な視点となっています。
そのため、SDGs達成への取り組みの位置づけとして寄付を行うケースが見られます。
従業員の意識向上
企業が社会貢献への取り組みを行うことで、従業員は自分たちの企業が社会課題に取り組み、役に立っていると思えるようになり、仕事へのモチベーション向上につながります。
小さいころに東日本大震災などを経験した世代は社会に貢献したいという意識が高く、社会貢献活動を行っている企業に入りたいという学生も増えています。また社会貢献活動を通して、やりがいや使命感を持って働くようになれば、離職率の低下にもつながるといわれています。
従業員に取り組みを浸透させるため、寄付した先の自治体やNPOに依頼して従業員向けの報告会や研修会を開いたり、従業員を現場に送りボランティアなどの経験ができる機会をつくったりするなど、「参画するプログラムを組み立てる」ことで、さらにその効果は高まります。
小さいころに東日本大震災などを経験した世代は社会に貢献したいという意識が高く、社会貢献活動を行っている企業に入りたいという学生も増えています。また社会貢献活動を通して、やりがいや使命感を持って働くようになれば、離職率の低下にもつながるといわれています。
従業員に取り組みを浸透させるため、寄付した先の自治体やNPOに依頼して従業員向けの報告会や研修会を開いたり、従業員を現場に送りボランティアなどの経験ができる機会をつくったりするなど、「参画するプログラムを組み立てる」ことで、さらにその効果は高まります。
まとめ
寄付は単なるお金を渡す行為ではなく、企業の社会的責任を果たしたり、職員の意識を高めたりすることで組織力強化などにもつながります。
また近年は、自治体への寄付となる企業版ふるさと納税を活用した場合、最大で6割を法人関係税から税額控除できます。損金算入による軽減効果と合わせると最大で約9割の軽減効果が見込めるため、寄付額の10倍ほどの価値の社会貢献活動ができるなど、寄付がしやすい環境が整ってきました。
地球環境や地方創生に向けた課題が叫ばれる中、企業の社会貢献活動はさらに重要さを増していくことが予想されます。その取り組みのひとつとして「寄付」をしてみてはいかがでしょうか。
(認定ファンドレーザー® 鎌倉幸子)
また近年は、自治体への寄付となる企業版ふるさと納税を活用した場合、最大で6割を法人関係税から税額控除できます。損金算入による軽減効果と合わせると最大で約9割の軽減効果が見込めるため、寄付額の10倍ほどの価値の社会貢献活動ができるなど、寄付がしやすい環境が整ってきました。
地球環境や地方創生に向けた課題が叫ばれる中、企業の社会貢献活動はさらに重要さを増していくことが予想されます。その取り組みのひとつとして「寄付」をしてみてはいかがでしょうか。
(認定ファンドレーザー® 鎌倉幸子)