肩書きや年齢の壁を取り払う波の力でまちづくり。リラックス・サーフタウン宮崎県日向市
2022-03-02 08:00:00
宮崎県の北部に位置する日向市は、人口約6万人。市内に大学などの高等教育機関が少なく、若者が希望する就職先も少ないため、高校卒業後、多くの若者が進学や就職により市外に出ていってしまう傾向にあります。
そこで市は、全国屈指のサーフスポットという地域特性を生かし、サーフィンを軸としてまちを活性化する「リラックス・サーフタウン日向プロジェクト」を推進してきました。
この取り組みに関わるなかで多くのサーファーと関わってきた日向市総合政策課の東村光教さんと松木孝俊さん。日向のビーチでは肩書きや年齢に関係なく人々がフラットにつながる空気があるといいます。市は、こうした空気を交流・定住人口拡大のキーとして施策を展開。県外サーファーを中心に交流・定住人口の増加につながっています。
そこで市は、全国屈指のサーフスポットという地域特性を生かし、サーフィンを軸としてまちを活性化する「リラックス・サーフタウン日向プロジェクト」を推進してきました。
この取り組みに関わるなかで多くのサーファーと関わってきた日向市総合政策課の東村光教さんと松木孝俊さん。日向のビーチでは肩書きや年齢に関係なく人々がフラットにつながる空気があるといいます。市は、こうした空気を交流・定住人口拡大のキーとして施策を展開。県外サーファーを中心に交流・定住人口の増加につながっています。
日常を忘れて波に向き合う絶好のロケーション
「ドーンと海があって、砂浜があって、ほかに何もないんですよ。でも、それが良いと思っています」。全国屈指のサーフスポットとして知られる宮崎県日向市。東村さんは日向市のビーチの魅力について、このように語ります。
世界的なサーフィン大会の開催場所にもなったお倉ヶ浜は、全長約4kmのビーチに大小の波が押し寄せ、プロから初心者まで楽しめるのが特徴です。ほかにも金ヶ浜や伊勢ヶ浜など魅力的なビーチがあり、日向は長年サーファーから愛され続けてきました。
「私も何度かサーフィンに挑戦したなかで、地球と遊んでいるような感覚になれました」と、東村さん。美しい山々や黒潮が流れる沖合の海など、豊かな自然に囲まれて波に向き合うサーフィン体験は、心が開かれていくような感覚があったといいます。
世界的なサーフィン大会の開催場所にもなったお倉ヶ浜は、全長約4kmのビーチに大小の波が押し寄せ、プロから初心者まで楽しめるのが特徴です。ほかにも金ヶ浜や伊勢ヶ浜など魅力的なビーチがあり、日向は長年サーファーから愛され続けてきました。
「私も何度かサーフィンに挑戦したなかで、地球と遊んでいるような感覚になれました」と、東村さん。美しい山々や黒潮が流れる沖合の海など、豊かな自然に囲まれて波に向き合うサーフィン体験は、心が開かれていくような感覚があったといいます。
日向のビーチでは肩書きや年齢は関係ない
日向では、下は小学生から上は定年後の人まで、幅広い年代のサーファーがビーチに訪れます。知らない相手でも「おはようございます」とあいさつを交わし、良い波に乗った時にはお互いにエールを送り、波を譲り合いみんなでサーフィンを楽しもうとする、そんな温かな空気が日向のビーチにはあるといいます。
日向の波の前では肩書きや年齢は関係ありません。だからこそ上下関係のないつながりが生まれていると、自身もサーフィンを趣味とする松木さんは実感を込めていいます。「仕事では会わないような、いろんな世代の方との関わりができました。海に行けば知り合いが横に広がっていくという感じがあります」。
日向の波の前では肩書きや年齢は関係ありません。だからこそ上下関係のないつながりが生まれていると、自身もサーフィンを趣味とする松木さんは実感を込めていいます。「仕事では会わないような、いろんな世代の方との関わりができました。海に行けば知り合いが横に広がっていくという感じがあります」。
波がつなぐ「横の広がり」をまちづくりの軸に
日向の波が生み出す温かな横の広がりを交流・定住人口につなげようというのが、2016年から市が進めているリラックス・サーフタウン日向プロジェクトです。市は、サーフィンの国際大会招致や、PR動画、SNSでのプロモーションなどを展開。その結果、サーフィンに関連して日向市を訪れた人は、2015年の約22万人に対して、2018年には約26万人にまで増加し、宿泊施設や、雑貨店など、民間の観光関連施設もオープン。移住者も増加し、2016年度に比べて2020年度は6倍以上の数となりました。
取り組みに関わるなかで、東村さんと松木さんは多くのサーファーたちとの出会いを重ねてきました。仕事をリタイヤしてサーフィンを始めた人。全国を旅しながら良い波を求めて日向に辿りついた人。転勤になり日向を離れたものの海を諦めきれず、会社を辞めて日向に戻ってきた人。背負った背景は違いますが、それぞれの人が日向の波に向き合うなかで素の自分に立ち返り、人生を歩んでいます。
取り組みに関わるなかで、東村さんと松木さんは多くのサーファーたちとの出会いを重ねてきました。仕事をリタイヤしてサーフィンを始めた人。全国を旅しながら良い波を求めて日向に辿りついた人。転勤になり日向を離れたものの海を諦めきれず、会社を辞めて日向に戻ってきた人。背負った背景は違いますが、それぞれの人が日向の波に向き合うなかで素の自分に立ち返り、人生を歩んでいます。
より広い層へ届く新たな日向の魅力開発へ
日向は「新しい自分に会える、自分らしさに会える」場所だと、東村さんはいいます。「何かうまくいかないことがあったら、海を眺めるんです。そこで何をするわけでもないんですけど」。サーフィン以外でも思い思いの過ごし方で素の自分に立ち帰ることができるのが、日向のビーチの魅力だと話します。
サーフタウンとして一定の認知を得た日向市は、ビーチスポーツやヨガのイベントを行うなど、より広い層へ向けた観光メニューの開発にも意欲的です。また、ビーチに隣接したワーケーションにて、ワーケーションの事業化へ向けた検証を推進しています。波がつなぐ横の広がりを、さらに多くの層に広げる挑戦が続きます。
(相沢由介)
サーフタウンとして一定の認知を得た日向市は、ビーチスポーツやヨガのイベントを行うなど、より広い層へ向けた観光メニューの開発にも意欲的です。また、ビーチに隣接したワーケーションにて、ワーケーションの事業化へ向けた検証を推進しています。波がつなぐ横の広がりを、さらに多くの層に広げる挑戦が続きます。
(相沢由介)