【認定ファンドレーザー®が語る】寄付だけではない 企業が行う社会貢献活動の傾向
2021-11-04 08:00:00
「企業の社会貢献活動」といっても、寄付を通じた社会課題の解決だけではなく、従業員の能力やモチベーションの向上、社会のニーズとマッチした事業創造や商品の開発の視点をもちながら、自社の社会貢献活動の在り方を考え、進めている企業が増えています。寄付だけではない、企業の社会貢献活動の様々な形を紹介します。
自治体やNPOにスペースを提供
自治体やNPOに会議室、ショールームなどのスペースを提供し、地震などで甚大な被害を受けた自治体の物産展や国際協力をしているNPOの報告会など、イベントや展示会・販売会などに使用してもらいます。社員食堂がある企業では、被災地の食材を使ったランチを提供することで、現地の応援につなげているところもあります。
イベント内で、企業の社会貢献活動を伝える時間を設けたり、パネルを展示したりすることで、企業の取り組みを広く知ってもらう機会になります。また、自社の会場で開催するイベントへ従業員が参加することにより、社会課題への意識向上や、自社の社会貢献活動への理解向上を図ることができます。
イベント内で、企業の社会貢献活動を伝える時間を設けたり、パネルを展示したりすることで、企業の取り組みを広く知ってもらう機会になります。また、自社の会場で開催するイベントへ従業員が参加することにより、社会課題への意識向上や、自社の社会貢献活動への理解向上を図ることができます。
企業主催のイベント開催と地域住民の招待
企業がイベントを主催し、そこに地域住民を招くケースも見られます。芸術やスポーツにふれる機会は地域によって格差があります。スポーツイベントやコンサートなどのスポンサーをしており、招待枠がある場合、地域の子どもたち、障害者、高齢者などを招待することで、文化芸術やスポーツにふれる機会を提供することができます。
従業員の社会貢献活動への参加の推進
2018年に東京都が「企業が進める社員のボランティア活動に関する事例集―社員のボランティア活動とその活動を支える仕組み―」という小冊子を出しました。2020年に一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が発表した「社会貢献活動に関するアンケート調査 主要結果」(調査対象390社中178社が回答)によると、約53%の企業が社会貢献の意義として「社員が社会的課題に触れて成長する機会」をあげるなど、従業員が参加する機会の創出に重点を置く動きが加速しています。
企業がもつ最大のリソースは従業員です。専門性をもった従業員が社内業務に取り組むだけではなく、社会と接点をもち、地域の課題にふれ、多様な人々とコミュニケーションをとることで地域社会の一員としての意識が生まれるとともに現場感覚を養うことができます。また、「専門性を活かし、どのように貢献できるか」を考え実行に移すことは、現場の声をどのように事業に活かすことができるのか、どのような事業を形成するべきなのか考える機会となり、サービス構築や商品の開発のためのアイデアが生まれることもあります。
ボランティアはただの労働の提供ではなく、従業員の個人として企業人としての自己成長の機会であるだけではなく、広くは企業の事業創造につながることが期待されています。
企業がもつ最大のリソースは従業員です。専門性をもった従業員が社内業務に取り組むだけではなく、社会と接点をもち、地域の課題にふれ、多様な人々とコミュニケーションをとることで地域社会の一員としての意識が生まれるとともに現場感覚を養うことができます。また、「専門性を活かし、どのように貢献できるか」を考え実行に移すことは、現場の声をどのように事業に活かすことができるのか、どのような事業を形成するべきなのか考える機会となり、サービス構築や商品の開発のためのアイデアが生まれることもあります。
ボランティアはただの労働の提供ではなく、従業員の個人として企業人としての自己成長の機会であるだけではなく、広くは企業の事業創造につながることが期待されています。
物品・サービスを提供し事業に貢献
本業のサービスや物品を無償もしくは割引価格で提供し、事業に役立ててもらいます。ノベルティグッズとしてつくったペンやノートなども、地域で活動する子どもの学習支援のNPOで役立つかもしれません。
またNPOの中には、使用済み切手や書き損じはがき、古本、古着などを集めている団体もあります。年に一度、これらの物品を集めるキャンペーンを実施し、職員に物品の提供を呼びかけることで、職員参加型の物品集めと提供ができます。
物品・サービスのニーズについては、受け入れ先の団体と確認の上行うようにお願いします。
またNPOの中には、使用済み切手や書き損じはがき、古本、古着などを集めている団体もあります。年に一度、これらの物品を集めるキャンペーンを実施し、職員に物品の提供を呼びかけることで、職員参加型の物品集めと提供ができます。
物品・サービスのニーズについては、受け入れ先の団体と確認の上行うようにお願いします。
寄付つき商品を開発して自社製品に付加価値をつける
ミネラルウォーターのペットボトルを買えば、それが開発途上国の水支援になるキャンペーンを記憶されている方も多いかと思います。社会貢献活動と本業のビスネスとを組み合わせて商品開発・販売をすることで、自社の製品に付加価値をつけることができます。
寄付つき商品開発のためには自社のビジネスと親和性のある事業を行っている組織との連携が重要です。
寄付つき商品開発のためには自社のビジネスと親和性のある事業を行っている組織との連携が重要です。
広報のノウハウを提供
多くの自治体やNPOは、広報に課題を抱えています。寄付やボランティア派遣をした場合、企業のウェブサイトやSNSに活動を掲載するだけでも大変喜ばれます。企業がもっている広報のノウハウをもとに、自治体やNPOにアドバイスをしたり、ワークショップを開いたりして広報力を高めるための支援を行うことで、相互の発信力が高まることが期待されます。
企業からの寄付や従業員への寄付の呼びかけ
企業の社会貢献活動として寄付するだけではなく、希望をする従業員の給与の一部を差し引いて寄付に充てる仕組みを構築し、運用している企業もあります。また従業員によるバザーや歳末募金などの寄付の呼びかけを行う場合もあります。従業員が自発的に集めた寄付の同額を会社が支援する、マッチングギフトを行っている企業もあります。
まとめ
企業の社会貢献活動は社会課題の解決を加速させるだけではなく、従業員の能力向上や、事業創造にもつながる可能性があります。その視点も大切にしながら自社にあった社会貢献活動を構築していきましょう。
(認定ファンドレーザー® 鎌倉幸子)
(認定ファンドレーザー® 鎌倉幸子)