何故あなたの自治体のプロジェクトはニュースにならないのか記者に向けた情報発信をニュース性の4つの要素から考える
2021-12-28 08:00:00
企業版ふるさと納税の制度は、2020年度の寄付額が前年度の約3.3倍となり、多くの自治体が制度を活用しています。そのようななか、「このプロジェクトがニュースに取り上げられれば、もっと多くの人に取り組みを知ってもらえるのに……」という自治体担当者の声も多く聞かれるようになりました。プロジェクトがニュースになるためには、ただ待っていたり、闇雲にメディアに情報を投げ込むだけではいけません。本記事では、プロジェクトを、自治体担当者としてどのような切り口で発信していけばニュースとして取り上げられるのか、記者の視点から整理してみました。
「どうしてこのプロジェクトがニュースにならない?」自治体や企業とメディアの間にある深いギャップ
企業版ふるさと納税は、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄付を行った場合に、法人関係税から税額控除を行う仕組みです。プロジェクトは、文化・スポーツ振興から、環境保全、教育の支援、災害支援など、多岐に渡ります。広告費などの予算をかけずに、プロジェクトの価値や魅力を多くの人に知ってもらい、寄付につなげていくには、プロジェクトが新聞やテレビにニュースとして取り上げられることが効果的です。そのために、プレスリリースや定例記者会見で積極的にプロジェクトの情報発信を行っている自治体も多いのではないでしょうか。
しかし、プレスリリースを発信しても、自分たちの手がけるプロジェクトがうまくニュースに取り上げられないことがあります。記者が、常にニュースのタネを探しているのにも関わらずです。それは、何故でしょうか。企業や自治体が発信する情報(=宣伝)と、メディアの記者が欲しいと思う情報(ニュースのタネ)にすれ違いがあるからです。プロジェクトをニュースにするためには「宣伝をしたい自治体」と「ニュースのタネが欲しい記者」の間のギャップを埋め、宣伝としてではなく、記者の欲しいニュースのタネを、自治体から記者に分かりやすく伝える必要があるのです。
記者が欲しがるニュースとは?「ニュース性」を決める4つの要素から考える
企業版ふるさと納税に関連して自治体が行う情報発信には、自治体HPや企業版ふるさと納税サイトへの掲載、公式SNSでの発信、プレスリリースなどがあります。それらの発信において、記者の欲しいニュースのタネを分かりやすく伝えるには「そのプロジェクトのどこを切り口にすればニュースになるのか?」をニュースメディアの記者になったつもりで考え、情報を組み立てる必要があります。
では、記者はどのような基準で、ニュースになるものとそうでないものを選別しているのでしょうか。その判断を行う基準を「ニュース性」とよびます。ニュース性には4つの要素があります。情報発信を行う際には、自分たちの行う発信に以下の4つの要素が含まれているか、そのことが発信にしっかり表現されているかを確認しましょう。
では、記者はどのような基準で、ニュースになるものとそうでないものを選別しているのでしょうか。その判断を行う基準を「ニュース性」とよびます。ニュース性には4つの要素があります。情報発信を行う際には、自分たちの行う発信に以下の4つの要素が含まれているか、そのことが発信にしっかり表現されているかを確認しましょう。
1つ目は、「話題性」です。話題性とは、一言でいえば「誰もが見てびっくりすること」です。話題性は、必ずしも流行りとは関係ありません。むしろ、まだ流行りになっておらず、誰もがびっくりするようなことの方がニュースになる可能性が高いといえます。例えば、「ついに、ツチノコ発見!」といった情報があれば、話題性の高いニュースのタネとなるでしょう。
2つ目は、「時事性」です。時事性とは、「いま、世間で流行っていること」を指します。3カ月後には忘れられるけれども、今は話題になるようなトピックは、時事性の高い情報であるといえます。オリンピックや選挙などのイベントや、正月や夏休みといった季節性の高いトピックが該当します。プロジェクトのなかで、その時の時事性に該当する要素があれば積極的に表現していきましょう。
3つ目は、「社会性」です。ニュース性における社会性とは、「そのニュースで多くの人が気づいていない社会の大きな流れを説明すること」です。社会的に影響が大きい事柄や社会課題は社会性の高い情報として扱われますが、そのなかでも、「今の時点ではまだマイノリティでも、この先にマジョリティになっていくもの。今後、数年~十年単位の時代の流れを予感させること。そのニュースによって時代の流れ・変化を感じられるもの」については、特ダネとして扱われる可能性が高いといえます。
4つ目は、「普遍性」です。普遍性とは、「人間とは何か、人間はどう生きるべきかという問いに対する解答、もしくはヒント」です。100年前も、100年先も価値が変わらないであろうトピックは普遍性の高い情報に位置づけられます。普遍性は、人の想いやストーリーなどによって表現されます。プロジェクトを発信する際に、想いやストーリーを表現することにより、ニュースとして取り上げられる可能性が高まるだけでなく、強い共感を生み出すことが期待されます。
2つ目は、「時事性」です。時事性とは、「いま、世間で流行っていること」を指します。3カ月後には忘れられるけれども、今は話題になるようなトピックは、時事性の高い情報であるといえます。オリンピックや選挙などのイベントや、正月や夏休みといった季節性の高いトピックが該当します。プロジェクトのなかで、その時の時事性に該当する要素があれば積極的に表現していきましょう。
3つ目は、「社会性」です。ニュース性における社会性とは、「そのニュースで多くの人が気づいていない社会の大きな流れを説明すること」です。社会的に影響が大きい事柄や社会課題は社会性の高い情報として扱われますが、そのなかでも、「今の時点ではまだマイノリティでも、この先にマジョリティになっていくもの。今後、数年~十年単位の時代の流れを予感させること。そのニュースによって時代の流れ・変化を感じられるもの」については、特ダネとして扱われる可能性が高いといえます。
4つ目は、「普遍性」です。普遍性とは、「人間とは何か、人間はどう生きるべきかという問いに対する解答、もしくはヒント」です。100年前も、100年先も価値が変わらないであろうトピックは普遍性の高い情報に位置づけられます。普遍性は、人の想いやストーリーなどによって表現されます。プロジェクトを発信する際に、想いやストーリーを表現することにより、ニュースとして取り上げられる可能性が高まるだけでなく、強い共感を生み出すことが期待されます。
プレスリリースが読まれる時間は3秒? ニュース性を「見出し」と「リード」で表現しきることが情報発信の鍵
プロジェクトの魅力や価値を記者に向けて発信する際には、これらのニュース性の4つの要素と紐づけて表現することが重要です。とりわけ、プレスリリース発信においては、ニュース性を踏まえた構成づくりが必要不可欠です。
記者の元には、一日で大量のプレスリリースが届きます。記者がプレスリリースを確認する時間は1件あたり3秒ともいわれています。「見出し」と、記事の概要である「リード」を見て、ニュースにならないと判断したものは捨てられてしまいます。プロジェクトがニュースとして取り上げられるためには、プレスリリースの見出し・トップビジュアル・リードでニュース性を表現しきる必要があるのです。逆に、イベントの日時や、プロジェクトの詳細などの細かな「情報」はリリースの後半に書くなどの工夫が必要になります。
記者の元には、一日で大量のプレスリリースが届きます。記者がプレスリリースを確認する時間は1件あたり3秒ともいわれています。「見出し」と、記事の概要である「リード」を見て、ニュースにならないと判断したものは捨てられてしまいます。プロジェクトがニュースとして取り上げられるためには、プレスリリースの見出し・トップビジュアル・リードでニュース性を表現しきる必要があるのです。逆に、イベントの日時や、プロジェクトの詳細などの細かな「情報」はリリースの後半に書くなどの工夫が必要になります。
企業版ふるさと納税を通じて社会にムーブメントを起こすためには、プロジェクトを多くの人に知ってもらうことが大前提です。ニュースに取り上げられることは、そのための最も効果的な方法のひとつであるといえるでしょう。記者が取り上げたくなるような発信を組み立て、あなたのまちのプロジェクトをどんどんニュースにしていきましょう。