【大臣表彰に選ばれるには理由がある!企業編】令和2年度受賞 株式会社ホクリク
2021-11-25 08:00:00
丘を走る子どもたち

北海道東川町(ひがしかわちょう)の大学生に奨学金を支援している、東京の建設会社があります。
この度、その企業「株式会社ホクリク」が、令和2年度「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)に係る大臣表彰」を受賞しました。この表彰は、企業版ふるさと納税の制度活用で、特に顕著な功績を上げ、他の模範となる活動をされた企業や地方公共団体が受賞します。
この取り組みが広がることを願い、ホクリクの支援活動を、ご紹介します。

「ホクリク」と、支援先「東川町」との出合い

スーツの男性
株式会社ホクリクと東川町とのご縁は、代表取締役の野口さん(=写真)が、東川町を訪れたことに始まります。東川町にあるホクリクの顧問宅を訪問した際、大雪山ふもとの湧水池で見た水量の豊富さに驚かれたそうです。東川町は北海道のほぼ中央に位置し、日本最大の自然公園「大雪山国立公園」の区域の一部になっています。

東川町の人口は、約8400人。財源は豊富ではありませんが、まちを活性化しようとする数々の積極的な取り組みをしています。町役場方々の、その努力する姿に心動かされ、野口さんは東川町への寄付を決めます。

役に立つ支援の形とは

のし袋を手渡す様子
東川町への寄付は、最初は用途を指定しない形で行い、企業版ふるさと納税の制度ができたので、東川町との協議を重ね、奨学金を中心に住みよいまちづくりを応援する形になりました。これは野口さんの想いから実現しました。
「現在の大学生の多くは、返却が必要な奨学金を利用している。これは借金を背負って社会に出ていく、ということであり、決していい形ではありません」と野口さんは語ってくれました。

ホクリクが支援する東川町の奨学金は返済不要の給付型です。東川町から大学に進学した1年目の学生などに1人当たり50万円(海外の大学に進学したら70万円)を支給、2年目以降は毎月1万円または4万円が支給されます。受給者に所得制限をつけていたので初年度の利用者は4名に留まりましが、野口さんの「若者に広く利用してほしい」との要望を受け制限を撤廃。2020年度の奨学金利用者は134名になりました。また、新型コロナウイルス感染症の影響でバイトなどによる生計維持が難しくなっているので、2020年と2021年は対象の学生全員に年12万円追加交付されました。

ホクリクの支援総額は2020年度1億円、2021年度は1億4000万円になる予定です。教育に対する想いが、東川町に届き、この奨学金制度ができました。この取り組みを通じ、奨学金を受給されている学生と野口さんとの手紙のやり取りもあるそうです。

どんどん進む街の活性化

教室の様子
現在も、東川町は企業版ふるさと納税を募集していますが、それとは別に「東川オフィシャルパートナー制度」を設けています。

東川町 企業版ふるさと納税
東川オフィシャルパートナー制度

「地方や日本そして世界の未来を育む社会価値の共創を目指す」をコンセプトとして、企業にはまちづくり事業に支援してもらい、東川町は支援企業の福利厚生の充実をはじめ、貸しオフィスの提供や災害時の支援などのサポートを行う制度です。

このような町役場の様々な企画、そしてホクリクなどの支援企業の厚情で、まちの活性化がどんどん進んでいます。そのひとつ、全国高等学校写真選手権大会「写真甲子園」の開催で、東川町は写真の町として全国に知られつつあります(ホクリクは、このコンテストにも支援されていました)。また「まちの活性化策に関心を寄せ、一緒にまちを盛り上げる町民方々が増えています」、との声が野口さんにも届いています。

企業とまちのとのいい出合いがあり、経営者の想いでまちの活性化事業がひとつできました。授賞理由に合致する、多くの企業・自治体に広まって欲しい企業版ふるさと納税の事案になりました。

株式会社ホクリクのご紹介

東京を中心に1都3県で55年以上の業歴ある建設業者です。官民の土木工事中心から最近は、丸の内ビルや六本木ヒルズ、銀座シックス、東京ミッドタウン日比谷などの大規模再開発の掘削工事をメインにしています。そこで発生する大量の建設発生土の処理を少しでも環境に負担をかけないよう、土砂のリサイクル事業に積極的に取り組んでいます。

株式会社ホクリク