夢は日本一のキャンプ場。ゆのまえグリーンパレスをキャンプの聖地に!~熊本県湯前町~
2022-07-29 08:00:00
ゆのまえグリーンパレスのキャンプ場の様子

熊本県南部、自然豊かな地にある「ゆのまえグリーンパレス」。キャンプ場や芝広場、ゴーカート場、グラウンド・ゴルフ場などを備えるほか、敷地内にある「ゆのまえ温泉 湯楽里(ゆらり)」で温泉も楽しめる人気の施設です。なかでもキャンプ場は、近年のキャンプブームの後押しもあって、利用者は激増。リピーターになる人も多いといいます。訪れるキャンパーを魅了する、人気の理由を探ってみました。

開設から40余年。地元で親しまれる施設から町のシンボルへ

写真左から米良健一さん、山本良子さん、荒木美貴さん、尾方篤義さん
今回、お話をお聞きしたのは、施設を管理するスタッフの皆さん(写真左から米良健一さん、山本良子さん、荒木美貴さん、尾方篤義さん)と湯前町企画観光課の兼田さんです。

「ゆのまえグリーンパレスがオープンしたのは昭和55年(1980)。コテージなどの施設から始まり、徐々にレジャー施設が増えていったようです」と話すのは、今年で13年目を迎えた荒木さん。その後、平成10年(1998)に温泉施設である「ゆのまえ温泉 湯楽里」が完成しました。

芝広場やゆのまえ温泉 湯楽里など、地元の人たちが集う憩いの場であると同時に、体験型観光施設として町外からも多くの観光客が訪れています。宿泊施設も整っており、ゆのまえ温泉 湯楽里内に和室、洋室などが10室あるほか、1棟貸しの「コテージ」や自然素材を使った「ゲストハウス」、スポーツ合宿などに最適な「合宿棟」などもあります。隣接して「湯前町B&G海洋センター」があり、体育館やプール、グラウンドなどのといったスポーツ施設も備わっているため、敷地内に宿泊しながら、様々な体験ができるようになっています。

人口4,000人足らずの湯前町にとって、ゆのまえグリーンパレスは町のシンボル的な存在であり、町の魅力を町外に発信するための重要な役割を担っています。

近年のブームでキャンプ場が再評価。キャンプ×レジャー×温泉で人気の施設に

キャンプ場の様子
そして近年急速に利用者数が増えているのが「キャンプ場」です。「私が来た当初は週末に少し混雑する程度。いまでは平日でもかなり利用していただいています」と荒木さんは振り返ります。キャンプ場は、木立のなかのAサイト、平地のBサイト、芝広場に隣接するCサイトの3つのエリアに分かれており、いずれも区画が区切られていないフリーサイト。それぞれに電源があり、オートキャンプにも対応しています。「隣のテントと適度な距離が保たれるよう入場者数を制限しています」と荒木さん。ゆったりと楽しめるのも魅力のひとつといいます。
ゴーカートを楽しむ親子の様子
豊かな自然環境に加えて、ゴーカート場やグラウンド・ゴルフ場などのレジャー施設があるのも施設の大きな魅力です。「キャンプ場に泊まって昼間は各施設で遊べるので家族連れにも人気です。また、ここを拠点に近くの山へのハイキングや球磨川のラフティングなどに出かける方もいらっしゃいます」と荒木さんは話します。そしてなにより人気なのが、温泉施設である「ゆのまえ温泉 湯楽里」です。「ここのお湯は山の中の温泉としては珍しく塩分が高く、潮湯(しおゆ)とよばれています。露天風呂やサウナもあり、キャンプ場でゆっくりと温泉に浸かれるのも人気のようです」。

多くのリピーターに支えられるキャンプ場。ソフト面を整備してより多くの人に知ってほしい

キャンプを楽しむ家族の様子
こうしたことから、リピーターとして再訪してくれる人も多いといいます。「お客さんが増えたのは喜ばしいこと。同時に様々な問題点も浮かび上がってきました」と荒木さんは言います。

そのひとつが予約システム。予約の受付は電話でのみ対応しており、初めて利用する人には料金の説明なども行うため1組の予約にかなりの時間がかかっています。電話の対応は荒木さんたちスタッフが行っており、電話対応の時間が施設管理の時間を圧迫しているといいます。

また、キャンプ場の専用ホームページがないので、情報を見つけてもらいにくいという問題もあります。これらを解決するため、町では最新情報を提供できるようキャンプ場の専用ホームページを構築し、オンライン予約システムを導入するプロジェクトを進めているところです。「お客さんとの会話を通して、このキャンプ場の魅力を改めて知ることができました。町の自慢のキャンプ場を、もっと多くの人に知っていただきたいです」と荒木さんはこのプロジェクトに期待を寄せています。

より愛される施設を目指して。スタッフの対応が高い評価につながる

草刈りをする女性の様子
ここで働く4名のスタッフは、利用者とふれあう時間も長く、施設への要望を直接聞くことも多いといいます。「まだ和式のトイレが残っているところがあり、改修を望む声はよく聞きます。ペットOKにしてほしい、シャワー施設がほしいなど、細かな要望もいろいろと聞いています。要望に応えつつ少しでも快適に過ごしていただけるよう、ハードの整備もしていただきたいです」と荒木さんは話します。

こうした声に応えるべく、町では来年度以降、順次ハード面の改修にも取り組む予定だといいます。「まだなにも決まっていませんが、より快適で使いやすい、楽しい施設になるよう必要な改修は行っていきたい。ゆくゆくは全国のキャンパーたちが憧れるようなキャンプ場にしたいですね」と、湯前町企画観光課の兼田さんが答えてくれました。

このキャンプ場の魅力について、最後に兼田さんがこっそり教えてくれました。「利用者にアンケート調査を行ったところ、施設の魅力の上位に温泉が挙がりました。そしてそれに負けない評価をいただいたのがこの4名のスタッフの方々でした。清掃や草刈りなどの管理はもちろん、利用者への真摯な対応が評価されたと考えています」。
草刈りをする男性
自然豊かな環境と魅力あふれる周辺施設、そしてゲストに信頼されるスタッフの皆さん。今後、ソフトとハードの両面の改善が進めば、「キャンパーたちの憧れのキャンプ場」になる日はそう遠くないのかもしれません。
(日下智幸)


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